
アブダビの石油大手ADNOCの子会社ADNOC Drillingの株式は、アブダビ株式市場で史上最大となる11億ドルの新規株式公開(IPO)後の日曜日に取引が開始され、30%以上の急上昇を記録した。
ADNOCドリリングの株式公開への応募は総額340億ドル以上の需要となり、上場時の時価総額が約100億ドルとなることから、アブダビ証券取引所の10大企業に入ることが予測されている。
同社の株価は、取引開始後30%以上上昇し、3.05ディルハム(約0.83ドル)となった。
ADNOCは声明の中で「この重要なマイルストーンは、アブダビの株式資本市場の拡大と多様化を促進し、UAEの経済と民間企業の発展を促進するでしょう」と述べている。
今回のIPOは、湾岸の石油大手であるADNOCとサウジアラムコが、石油に依存する経済の収入源の多様化を模索する中で、外部の投資家から現金を調達しようとする最新の動きとなる。
サウジアラムコは2019年末に上場し、世界最大のIPOで294億ドルを調達した。
ADNOCは引き続き同子会社の過半数以上となる84%の株式を保有し、米石油サービス大手ベーカー・ヒューズは5%の株式を保有、米ヘルメリッチ・アンド・ペインは今回のIPOのコーナーストーン投資家として1%の株式を保有する。
ADNOCは、応募が殺到したためIPOの規模を株式資本の11%に拡大した。ADNOCはこれまで、最低でも7.5%の株式を売却することを目標としていた。
今回の株式公開は、UAEでガソリンスタンドやコンビニエンスストアを運営する最大手、ADNOCディストリビューションが行った2017年の上場に続き、アブダビの石油メジャーが所有する企業としては2回目のものとなる。