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リヤド:サウジアラビアのエネルギー相であるアブドルアジーズ・ビン・サルマン・アール・サウード王子が「OPECプラスは今後数ヶ月間、安定したペースで生産量を増加させる計画を堅持する」と主張したことにより、北海ブレント先物相場は1バレル85ドルを超え、WTIは8週連続で上昇した。
リヤド時間午後3時33分、北海ブレント先物相場は1%上昇して1バレル84.82ドルとなり、先週から3%上昇。同日初めには3年ぶりの高値となる85.10ドルをつけた。ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)も1%上昇して82.12ドルとなり、週次では3.5%の上昇となった。
サウジアラビアのエネルギー相は木曜日、同国を中心とするOPEC加盟国とロシアを中心とする非加盟国の枠組みであるOPECプラスは、11月に日量40万バレルを増産し、その後も継続する予定であると、ロシア・エネルギー・ウィークの代表者らに語った。
現在、市場はひっ迫しているものの、OPECの予測によると、年内には需給バランスが安定し、2022年には供給が需要を上回るとされている。
「他の市場の乱高下を見れば、今年、原油価格が着実に上昇していることからもOPECプラスの政策の効果はお分かりいただけるでしょう」と同氏は述べた。
「現在の石油市場は、天然ガス価格が500%、石炭価格が300%、NGL(天然ガス液)が200%上昇しているのに対して、29%の(価格が)漸増となっている」と同氏は述べた。OPECプラスは、「いわゆる石油市場の調整役」として「目覚ましい」働きをしてきた。
「これはまさにOPECプラスの成功であり、他の商品市場も同様のアプローチを採用すべきだ」と同氏は述べた。
「ガス市場、石炭市場、その他のエネルギー源を規制する必要があり、OPECがやってきたこと、OPECプラスが達成したことをコピー&ペーストする必要がある」とサウジアラビアの大臣は付け加えた。
タス通信によると、サウジアラビアはロシアに対し、天然ガス市場での協力の可能性を検討するよう提案していると、ロシアのアレクサンダー・ノヴァック副首相が1日に語ったという。
原油価格は、国際エネルギー機関(IEA)が1日に発表した強気の需要予測にも支えられた。同機関は、エネルギー危機により原油需要が日量50万バレル増加すると予測している。
これにより、OPECプラスが1月に予定している増産を前に、年末にかけて日量約70万バレルの供給ギャップが生じることになる。
北海ブレント先物相場の内訳を見ると、「希少性プレミアム」が2013年以来の大きさに拡大している。これは、COVID-19パンデミックからの経済回復に伴い、エネルギー不足が拡大する中、市場の逼迫が原油価格の上昇を支えていることを示している。
ブレント原油の当面の契約である2022年12月限の価格に対するプレミアムは、月曜日に8.30ドルに達した後、金曜日には8.13ドルとなった。リフィニティブ・アイコン(Refinitiv Eikon)のデータによると、月曜日の値は2013年以来の高値であった。
また、ロシア・エネルギー・ウィークにおいて、プーチン大統領は、エネルギー需要の増加に伴い、原油価格が100ドルを超える可能性は「十分にあり得る」と述べた。
また、フォーラムでのインタビューでは、ロシアがガスを地政学的な武器として利用していることを否定し、欧州への追加のエネルギー供給による支援の用意があると述べた。