
マイケル・グラッキン、ザイド・カショギ
グラスゴー/リヤド:世界の指導者らは、危険な地球温暖化に歯止めをかけるために必要な対策での合意に懐疑的な見方が強まる中、国連のCOP26気候サミットのため、グラスゴーに到着した。
米国のジョー・バイデン大統領、英国のボリス・ジョンソン首相、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、オーストラリアのスコット・モリソン首相、アイルランドのミホル・マーティン首相、カナダのジャスティン・トルドー首相などは、120ヶ国の首脳のうち、最初に会場入りする予定となっている。
また、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が、英国の次期王位継承者であるチャールズ皇太子と共に、COP26の北米の「緑化」を推進するイベントに参加することも明らかになった。
この展開は、ローマで開催されたG20サミット後の31日夜、チャールズ皇太子と億万長者の同実業家とそのガールフレンドであるローレン・サンチェス氏との間で行われた非公式な会談を受けて実現した。
31日のG20サミットは、2050年までのカーボン・ニュートラルを約束したのが20ヶ国中12ヶ国にとどまったことを受けて、悲観的な雰囲気で閉幕した。
バイデン大統領はグラスゴーに到着したものの、自身が掲げる国内の気候変動に関する予算案は、民主党が支配する議会をまだ通過していない。
一方、COP26に到着した代表団は、今朝、キャンパスに入るため、長い行列に直面した。
多くの代表団やメディア関係者は、会場に入るまでに、2時間近くの行列待ちを強いられた。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、COP26気候サミットの開会演説で、世界の指導者らに対し、地球を「トイレのように」扱うのは止めるよう警告した。
グラスゴーに集まった各国首脳に対する痛烈な警告の中で、グテーレス氏は次のように述べた。「我々の化石燃料への中毒依存は、人類を崖っぷちに追いやっている。我々は厳しい選択を迫られている。化石燃料の使用を止めるか、それとも化石燃料が我々を止めるかだ。今こそ、もうたくさんだと言う時だ。生物多様性を残酷に破壊するのはもうたくさんだ。二酸化炭素で自分たちの首を絞めるのはたくさんだ。自然をトイレのように扱うのはもうたくさんだ。燃やして、掘削して、自分たちの道をさらに深堀するのはもうたくさんだ。我々は自分たちの墓穴を掘っているのだ」
「もし今回のCOPの終了時に公約が不十分なのであれば、各国は国の気候計画と政策を見直さなければならない。5年ごとではなく、毎年、あらゆる瞬間にだ」と、グテーレス氏はCOP26の開幕式で首脳らに語った。
グテーレス氏は、世界各国の政府が地球温暖化を可能な限り1.5℃近くに、2℃以下に抑えることで合意した2015年のパリ協定以降の6年間は、観測史上最も気温が高い6年になったと警告した。
英国の首相は、グラスゴーでの国連COP26の首脳会談の部を開会する中で、世界の首脳らはジェームズ・ボンドと「ほぼ同じ立場」にあると語った。
ジョンソン首相は、ジェームズ・ボンドは「一般的に、高い興行収入を誇るこの映画のクライマックスで、絶体絶命の装置に縛り付けられ、どの色の電線を引けば装置を止められるかを必死に探る一方で、赤いデジタル時計が、容赦なく、ご存知のような人生を終わらせる爆発までの時間を刻むのだ」と語った。
同首相は次のように付け加えた。「世界の指導者の皆さん、私たちは今日、ジェームズ・ボンドとほぼ同じ立場にいる。例外は、これが映画ではなく、絶体絶命の装置が現実だという悲劇だ。時計は、我々が空気中にますます速いスピードで二酸化炭素を送り込んでいる何千億ものピストンや溶鉱炉、エンジンの激しいリズムに合わせて、時を刻んでいる」
ジョンソン首相は続けた。ジョンソン氏は、世界の指導者に、「セリフをとちらないように」と呼びかけ、若い世代は「許してくれない」と警告した。
首相は次のように述べた。「もし我々が失敗すれば、若い世代が許してくれないからだ。彼らは、グラスゴーは転換に失敗した歴史の転換点だったと知ることになるだろう。彼らは、今日のどんな気候変動活動家をもしのぐような苦々しさと、怒りをもって、我々を裁くだろうし、それはもっともだ。COP26は、気候変動物語の終わりにはならないし、終わりにはできないのだ」
英国王位継承者であり、COP26の出席者の中では最高位の王族であるチャールズ皇太子は、世界の指導者に対し、気候変動は新型コロナウイルスのパンデミックよりも大きな地球にとっての脅威であると語った。
皇太子は「時間は文字通りかなり短くなってきている」と警告し、グローバル企業に対して、貧困国の排出量実質ゼロへの移行の資金援助を行うよう求めた。
ジョー・バイデン大統領は1日、2030年までに温室効果ガスの排出量を2005年比で50から52%削減するという野心的な目標に加えて、米国は2030年までの二酸化炭素排出量実質ゼロを実現できると述べた。
グラスゴーでのCOP26気候変動会議で、バイデン大統領は、2030年までに1ギガトン以上の温室効果ガスが削減されると述べ、気候変動への対処は道徳的にも経済的にも必須であると付け加えた。
「グラスゴー会議は、我々が共有する未来を守るための野心と革新の10年のキックオフにしなければならない」と、大統領は述べた。
バイデン氏は依然として、地球温暖化と闘うために、米国史上最大の投資となるクリーンエネルギー促進のための5550億ドル規模の予算案を米国議会で可決させようとしている。
「より良い再建」の枠組みでは、クリーンエネルギーへの「歴史的な」投資が行われる予定で、バイデン氏はこれを「どんな先進国もこれまでに行ったことのない、気候危機に対処するための最も重要な投資」としている。
バイデン氏はCOP26で、気候変動は「世界を荒廃させている」と述べ、「歴史の目」は、グラスゴーに集まった世界の指導者たちの審議を見ていると語った。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ヨーロッパ諸国は公約から行動へと移行しなければならないと述べ、COP26の全ての参加国に、2015年にパリで取り決められた財務公約を守るよう求めた。
サミットでの演説の中で、マクロン大統領は気候変動の世界最大の原因となっている国々に対し、排出削減の公約を引き上げるよう呼びかけた。
「このCOPで、これからの15日間の鍵となるのは、地球温暖化を1.5℃に抑えるという我々の目標と合致していない国家戦略を掲げている最大の排出国が、その取り組みを引き上げることだ」と、マクロン氏は述べた。
インドの首相は1日、グラスゴーで行われたCOP26気候会議の演説の中で、同国がカーボン・ニュートラルを達成する目標を2070年にすると発表した。
ナレンドラ・モディは、インドは今から2030年までに合計100万トンの二酸化炭素排出量を削減するものの、同国は2070年までに実質ゼロを達成すると述べた。
モディ首相は、この重要な会議の中で、世界の首脳らに対し、インドは2030年までに「非化石エネルギー」を10%増加させ、同時期までに、再生可能エネルギーの割合を約38%から50%に増加させると語った。