• 兵士はジェニンの近くの村に入り、殺害されたパレスチナ人襲撃者の実家を破壊した

テルアビブ：イスラエル軍は2日朝、占領しているヨルダン川西岸でパレスチナ人1人を射殺した。中東の緊張が高まる中、この24時間強で殺害されたパレスチナ人は彼で3人目だ。

イスラエル軍によると、ヨルダン川西岸のベツレヘム市にあるデヘイシャ難民キャンプで活動していた部隊が、石や手製爆弾を投げつけられた後、発砲したという。パレスチナ保健省はアイマン・ムハイゼさん（29）が死亡したと発表した。

1日夜、イスラエル軍は、ヨルダン川西岸北部ジェニン市に近いヤベド村に入った。目的は、殺害されたパレスチナ人襲撃者の実家を破壊することだった。彼は3月にイスラエルのブニブラック市で5人を銃殺した。

軍によると、パレスチナ人が兵士を石や火炎瓶で攻撃し、軍はパレスチナ人武装勢力と銃撃戦を行ったという。パレスチナ保健省はビラル・カバハさん（24）が死亡したと発表した。ハマスによると、彼はハマスの戦闘員の一人だった。

イスラエル軍が公開した映像には、兵士が家を破壊する準備をする様子や、爆発が3階建ての建物を破壊し、夜空を照らす様子が映っていた。

イスラエルは、殺害されたり拘束されたりしたパレスチナ人武装勢力の家を日常的に破壊している。イスラエルはそれが抑止力になると主張しているが、2004年に出された軍の内部報告書では、その効果が疑問視されている。パレスチナ人と人権団体は、これは集団的懲罰に相当すると主張している。

イスラエルの人権団体ハモケドによると、その家には襲撃者の両親と祖母、そして未成年の弟が住んでいた。ハモケドは家屋の破壊に反対する嘆願書を提出したが、イスラエルの最高裁に却下された。

1日のもっと早い時間に、イスラエル軍はヨルダン川西岸南部で、ナイフを持って近づいてきたとされるパレスチナ人女性を殺害した。

ヨルダン川西岸には約300万人のパレスチナ人が住んでいる。同地区は、1967年の中東戦争でイスラエルに占領され、それ以来軍に支配されている。

パレスチナ人は、ヨルダン川西岸が将来のパレスチナ国家の中心部になることを望んでいるが、和平プロセスは10年以上前に崩壊した。

ここ数カ月、パレスチナ人はイスラエル人に対する攻撃を相次いで実行し、19人が死亡している。イスラエル軍は、ヨルダン川西岸全域でほぼ毎日実行される作戦を開始した。さらなる攻撃を防ぐために武装勢力のネットワークを破壊するのが目的だとしている。

火種となっている聖地エルサレムでの衝突と、パレスチナ系米国人名物記者の殺害で、緊張はさらに高まっている。パレスチナ人と目撃者は、シリーン・アブアクラ氏はイスラエルに射殺されたと言っているが、イスラエルは、兵士もしくはパレスチナ武装勢力が銃殺したかどうか定かではないと言っている。

パレスチナ保健省は、今年に入ってから62人のパレスチナ人がイスラエル軍に殺害されたと発表した。同省は民間人と武装勢力、破壊的攻撃を行った後に殺害された者を区別していない。

同省の計算にはアブアクラ氏と、武器を持っていなかった女性1人、衝突現場に居合わせたとみられる2人が含まれている。

AP