22日の東京商品取引所では、中東産(ドバイ)原油先物が急落した。取引の中心となる2022年4月決済物は一時、1キロリットル当たり前週末比2520円安の5万1850円まで下げ、10月4日以来、約1カ月半ぶりの安値を付けた。原油やガソリン価格の高騰を受け、日米中などの主要国が石油備蓄を放出する協調行動を検討していることが売りの要因となった。
22日のドバイ原油の終値は2410円安の5万1960円となった。投資家の売り圧力が強く、終日取引価格は低迷した。
ドバイ原油は、世界的な景気回復を背景に、10月中旬に2018年10月以来、3年ぶりの高値となる5万7240円を記録した。
その後も指標となるニューヨーク原油(WTI)先物相場などが高止まりした。価格上昇を抑制するため、米国などとともに日本も協調放出に向けて調整に入った。
日産証券の菊川弘之主席アナリストは「暖房需要が増える冬本番を迎えて、原油価格は大きくは下がりにくく、上昇に転じる可能性もある」と話している。
時事通信