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NEOM関連企業、世界最大のグリーン水素プラント実現に向け「未到の地」を探索:CEO

NEOMグリーン水素会社のデヴィッド・エドモンドソンCEO。(提供写真)
NEOMグリーン水素会社のデヴィッド・エドモンドソンCEO。(提供写真)
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23 May 2023 04:05:11 GMT9
23 May 2023 04:05:11 GMT9

ニルマル・ナラヤナンレイナ・タクラ

リヤド:NEOMグリーン水素会社(NGHC)は、サウジアラビアの持続可能性目標実現に貢献するべく、2026年に世界最大のグリーン水素プラントの本格稼働を開始することを目指して新天地を開拓している。

NGHCのデヴィッド・エドモンドソンCEOはアラブニュースによるインタビューの中で、現在進行中のエネルギー移行の取り組みに革命を起こすかもしれないこの水素プラントを建設する際に生じる可能性があるいかなる課題に対しても、同社は対処する準備ができていると話す。

同CEOは次のように語る。「我々はより大きな規模でグリーン水素を生産するために世界最大のプラントを建設している。世界に同様の施設が他になく、重要な知見を利用できないため、我々は正にグリーン水素と持続可能エネルギーの未踏の地を探索している」

また、この規模のプロジェクトには困難が伴うことを認めつつ、「我々は既に素晴らしい人材を何人か雇用している」と言う。

株主からの支援や技術パートナーの尽力を得たNGHCは、「プロジェクトを支援してくれる全ての人の経験や専門知識を活用することで、いかなるシナリオにも備えができている」とエドモンドソンCEOは話す。

最大4ギガワットの太陽光・風力エネルギーを統合して最大120万トンのグリーンアンモニアを生産することになるこのメガプラントを建設する同社は、NEOMの工業都市OXAGONにおけるこのプロジェクトに関するファイナンシャルクローズを総投資額84億ドルで実現した。

これは、同社が地元、地域、国外の23の銀行および投資会社との間で財務書類に署名した後のことだった。

エドモンドソンCEOは語る。「これらの銀行や金融機関は我々の投資への資金提供を約束してくれた。これらの地域や世界からの支援に加え、サウジ産業開発基金や国家インフラ基金からの支援にも恵まれている」

ACWAパワー、エアプロダクツ、NEOMによる対等合弁ベンチャーであるNGHCが建設するこのメガプラントは、2026年末までに1日最大600トンのカーボンフリー水素を生産する予定だ。

NGHCはまた、エアプロダクツとの間で同社を施設全体の指名業者およびシステムインテグレーターとする設計・調達・建設契約を結んでいる。

NGHCの会長でNEOMのCEOであるナドミ・アル・ナスル氏は次のように述べた。「投資コミュニティーからこのように相当な資金支援があるということは、NGHCのグリーン水素プロジェクトの比類ないポテンシャルを示している。我々は本日発表されたファイナンシャルクローズによって、再生可能ソリューションを加速するためのNEOMのビジョンに沿ったこのプラントの開業に向けて大きな飛躍を遂げようとしている」

ACWAパワーのムハンマド・アブナヤン会長は、サウジアラビアで待望されているグリーン水素生産施設のファイナンシャルクローズの成功を支援・促進できたことを同社は誇りに思うとしたうえで、このプラントはビジョン2030が掲げる目標に貢献するだろうと述べた。

同会長は次のように語った。「我々には、革新的なソリューションや先進技術を活用してクリーンで持続可能な電力を最小のコストで提供してきた実績がある。今回の件は、クリーンエネルギーへの移行を加速させサウジアラビアの脱炭素化目標を支援するという我々の共通の目的に向けた重要な一歩だ」

エドモンドソンCEOはさらに、株主や投資コミュニティーはこのグリーン水素プロジェクトを将来的に実現するために十分な支援を提供してくれていると語る。

同CEOは続ける。「先ほど言った23の銀行や金融機関は総額のうち61億ドルをノンリコース資金として提供してくれる。投資コミュニティーからこのように相当な資金支援があるということは、明日の水素革命において世界をリードする我々のプロジェクトの巨大なポテンシャルを示している。彼らの支援によってこのビジョンを実現できることを楽しみにしている」 

また、このグリーン水素製造施設が稼働に向けて準備を進める中では技術が主要な実現要因であるとしたうえで、「施設全体のシームレスな統合を確保できるようにする」ためにNGHCの技術パートナーはプロジェクト策定の初期段階で選択されたと語る。

さらに、中東・北アフリカ(MENA)地域にはグローバルな再生可能エネルギー地域となるためのあらゆるポテンシャルがあると指摘する。豊富な太陽光や風力を利用できる広大な土地が既に存在し、プロジェクトの建設が可能だからだ。

エドモンドソンCEOはアラブニュースに対し語る。「MENA地域に関しては、今後数十年でグローバルな水素生産地域になる可能性は現実的だ。この地域は何十年もかけて、グローバルなエネルギー生産・輸出地域としての極めて大きな重要性を獲得してきたのだから」

同CEOは次のように締めくくった。「化石燃料への依存度が下がり、よりクリーンなエネルギーへの需要が高まる中、この地域にはグリーン水素・グリーンアンモニアや低炭素燃料一般の分野においてそのような地位を占める機会、そして世界レベルのインフラや国際的に認知される認証システムを確立する機会がある」

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