
航空大手2社の2021年4~12月期連結決算が2日、出そろった。日本航空の決算(国際会計基準)は純損益が1283億円の赤字(前年同期は2127億円の赤字)と損失幅が縮小。ANAホールディングス(HD)の純損益は前年同期から赤字幅が3分の1に縮小した。いずれもコロナ禍で落ち込んでいた国内線の旅客需要が年末にかけて回復したことに加え、貨物事業の好調が寄与した。
日航の売上高に当たる売上収益は、前年同期比39.8%増の4984億円。緊急事態宣言の解除に伴い、昨年10月以降に利用が増えた国内線の旅客収入は27.4%増加した。
国際線貨物収入は、活発な荷動きや海上輸送の混乱による運賃高騰が航空貨物にも反映され1333億円に倍増した。貨物専用機を運航するANAHDも同収入が2.3倍に増え、2377億円を確保した。
足元では変異株「オミクロン株」の爆発的な感染拡大を受け、両社とも国内線の利用者数が減少している。日航の菊山英樹専務は2日のオンライン記者会見で「(感染状況により)一進一退を繰り返しつつも、着実に業績は改善している」と強調し、減収分は貨物事業の増収やコスト削減で補えると説明した。
時事通信