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欧州へLNG融通決定=政府、米欧の要請に呼応

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09 Feb 2022 11:02:08 GMT9
09 Feb 2022 11:02:08 GMT9

政府は9日、日本が輸入する液化天然ガス(LNG)の一部を欧州に融通する方針を決めた。ウクライナ情勢の緊迫化を受けた米欧からの要請に呼応した異例の措置で、ロシアから欧州への天然ガス供給が途絶える事態に備える。

萩生田光一経済産業相が同日午後、欧州連合(EU)のフロア駐日大使、米国のエマニュエル駐日大使と経産省内でそれぞれ会談し、融通に協力すると伝えた。

政府から民間企業に融通を要請した。大手商社などが権益を保有し、売却先が決まっていないLNGの一部を欧州に売却する。要請に基づき売却先を変更してもらったLNG運搬船数隻が、3月に欧州に到着する見込みという。1隻当たりの積載量は7万トン程度。これとは別に、売却先がもともと欧州だった数隻も向かっている。

萩生田氏は会談後に記者会見し、「両大使からの要請を受け、協力することを決定した」と表明。「あくまで日本へのLNG安定供給に万全を期した上で、余剰分を欧州に振り向ける」と説明した。日本国内の電力、ガス向けのLNG在庫は2~3週間分が確保されており、供給に影響を及ぼさない範囲で協力するという。

岸田文雄首相も同日、記者団の取材に応じ、「同盟国である米国からの要請と、欧州の厳しいガス不足の状況を踏まえたものだ」と語った。

欧州が消費する天然ガスの多くは、パイプラインなどを通じてロシアから供給されている。ロシアがウクライナに侵攻すれば、米欧はロシアへの経済制裁に踏み切る構え。ロシアが対抗措置として欧州へのガス供給を止める恐れがあり、先に米国が日本などにLNG融通を打診していた。 

政府が民間事業者に今回のような措置を要請したことは過去にないという。

時事通信

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