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政府、急速な円安けん制=物価上昇へ募る危機感

1ドル=126円。(File photo/AP)
1ドル=126円。(File photo/AP)
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13 Apr 2022 04:04:40 GMT9
13 Apr 2022 04:04:40 GMT9

外国為替市場で円相場が約20年ぶりの安値水準となった13日、政府は急激な円安へのけん制を強めた。松野博一官房長官は記者会見で「為替の安定は重要であり、急速な変動は望ましくない」と強調。円相場の下落が加速すれば、輸入物価の上昇を通じて景気や個人消費に悪影響を及ぼしかねず、政府は危機感を募らせている。

 鈴木俊一財務相も13日、首相官邸で記者団に対し「政府としてもしっかり緊張感を持ち、これからの為替動向を注視する」と述べた。現在の為替水準については「不用意な発言が影響を与えてもいけないので、コメントはしない」とするにとどめたが、政府内では警戒感が高まる。 

 産業界でも、輸入価格の上昇が業績に打撃となることを懸念する声が広がる。外食チェーン、サイゼリヤの堀埜一成社長は13日の決算会見で「円安は全ての輸入品に効いてくるため、最悪の状況だ」と指摘。吉野家ホールディングスの河村泰貴社長も会見で「半年、1年のサイクルで見ると徐々に影響が出てくるだろう」と述べ、円安の長期化に警戒を示した。

 この日の円安は、大規模緩和の継続を強調した日銀の黒田東彦総裁の発言がきっかけ。金融市場では、金融引き締めにかじを切った米国との金利差がさらに拡大するとの思惑から、一気に円売り・ドル買いの動きが強まった。

 政府は新型コロナウイルス禍で傷んだ経済の立て直しを急いでおり、景気の腰折れ回避に全力を挙げる考え。ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油や原材料・穀物などの価格高騰を踏まえ、月内には物価上昇へ対応する緊急対策を取りまとめる方針だ。

 ただ、物価押し上げを招く「悪い円安」の懸念が一段と強まれば、景気が下振れしかねない。今後、政府がさらなる対応を迫られる可能性もある。

JIJI Press

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