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イスラエル軍、ガザ市民の「避難計画」を提示

2024年2月25日、ガザ市の海辺で人道援助物資を待つパレスチナ人ら。(AP)
2024年2月25日、ガザ市の海辺で人道援助物資を待つパレスチナ人ら。(AP)
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26 Feb 2024 07:02:06 GMT9
26 Feb 2024 07:02:06 GMT9

ガザ地区:イスラエル首相府は26日、イスラエル軍がガザ市民の避難計画を提示したと発表した。これに先立ってベンヤミン・ネタニヤフ首相は、「完全勝利」にはパレスチナ自治区南部の都市ラファへの地上侵攻が必要だと述べていた。

外国政府や援助団体は、このような作戦で民間人に大量の犠牲者が出ることについて、繰り返し懸念を表明してきた。

140万人以上のパレスチナ人(そのほとんどは他地域からの避難民)は、イスラエルの地上部隊が未だ攻撃していない最後のガザの都市に集結した。

また、そこは、隣国エジプトを経由して、切実に必要とされている援助が運び込まれる窓口でもある。

イスラエル軍が「ガザ地区の戦闘地域から住民を避難させる計画と、今後の作戦計画を戦時内閣に提示した」とするイスラエル首相府のヘブライ語による声明が26日に発表された。

この声明では、民間人がどこへどのように移動させられるかについての詳細は明らかにされていない。

この声明発表は、エジプト、カタール、米国の「専門家」がドーハでイスラエルとハマスの代表も参加した会談を行った後に行われたもので、イスラム教のラマダン月前に停戦を確保するための最新の努力だと国営エジプト・メディアは報じた。

イスラエルの同盟国である米国は、現在進行中の調停努力によって停戦や人質解放に向けた「理解」が得られたと述べたが、ハマスの消息筋は、同グループはイスラエル軍の撤退を主張していると述べた。

しかし、ネタニヤフ氏はこの撤退要求を「妄想」だとして拒絶、イスラエルはラファへの地上侵攻により、10月7日の攻撃で紛争を引き起こしたハマスに数週間以内に「完全勝利」できるだろうと述べた。

「もし(停戦)協定を結ぶなら、多少遅れるだろうが実現するだろう」と、同氏はCBSサンデーのインタビューで地上侵攻について語った。

「完全勝利が我々の目標である以上、地上侵攻は必要です。完全勝利は手の届くところにあります。それは作戦を開始すれば、数カ月先でも数週間先でもありません」

人道危機が深刻化するなか、国連の主要なパレスチナ援助機関は、ガザの飢饉を回避するための政治的行動を促した。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の代表であるフィリップ・ラザリーニ氏は、ガザ北部の深刻な食糧不足は「人災」であり、軽減することができると述べた。

「飢饉は、有意義な援助へのアクセスと保護を認める真の政治的意志によって、まだ避けることが可能です」

国連は、特にガザ北部への援助物資の搬入が制限されていると述べている。

死亡者数が増加

紛争が始まって5カ月近くが経とうとしているが、ガザ北部の絶望的な家族は、食べものをあさることを余儀なくされている。

「自分たちや子どもたちの食べ物も飲み物もありません」と、ガザ市近郊で援助トラックの到着を待っていたOmar Al-KahloutさんはAFPに語った。

「私たちは北部に閉じ込められ、援助物資も届きません。非常に厳しい状況です」

数百人のパレスチナ人が、砲撃で破壊された建物の黒こげになった骨組みの間を抜け、ごみが散乱した道を歩きながら、できる限りの方法で南へ向かった、とAFP特派員は伝えた。

イスラエル軍はパレスチナ自治区全域の標的を攻撃し続け、ラファに近い南部の都市ハーン・ユーニスを中心に武装勢力と激しい市街戦を展開した。

ハマスが運営するパレスチナ自治区の保健省によれば、イスラエルの軍事作戦によってガザでは少なくとも29,692人が死亡、そのほとんどは女性と子どもだという。

AFPの公式集計ではイスラエルで約1,160人(そのほとんどが民間人)が死亡したハマスの前代未聞の攻撃の後、この紛争は勃発した。

停戦交渉

イスラエルによれば、武装勢力はイスラエル人および外国人約250人の人質を取っており、そのうち130人(死亡したとみられる31人を含む)がガザに残っている。

イスラエル陸軍は25日、同軍兵士のオズ・ダニエルさん(19)の死亡を確認した。人質・行方不明家族フォーラムによると、ダニエルさんはハマスの攻撃の日に殺害され、「遺体はまだハマスが保管している」という。

調停者は、3月10日か11日(太陰暦のため)のラマダン開始までに、一時停戦と人質・捕虜交換が成立することを望んでいる。

ヨルダン国王のアブドッラー2世は、王室声明の中で、ラマダン月の戦闘は「紛争拡大の脅威を高める」と警告した。

ハマス指導者を迎え入れ、11月の1週間の停戦を仲介したカタールのシェイク・タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長が、今週パリを訪れることになっているとフランス大統領府は述べている。

メディアの報道によれば、紛争当事者は6週間の停戦に加え、イスラエルが拘束している数百人と、数十人の女性、未成年者、病気の人質との最初の交換を検討しているという。

過密状態のラファの目の前、隣国エジプトは、パレスチナ人をガザから追い出す作戦には協力しないとして、国境を閉鎖したままだ。

衛星写真によれば、エジプトは国境に壁を築いて大量の難民が押し寄せる可能性に備えているようだ。

イスラエル国内では、より迅速な行動を求める人質の家族や反政府デモの再燃から、ネタニヤフ氏に対する圧力が高まっている。

ヨアフ・ガラント国防相は、ハマスの強力な同盟勢力であるレバノンのヒズボラに対して行動の手を緩めることはないと述べた。ヒズボラの武装勢力は10月初旬以来、イスラエル軍とほぼ毎日戦闘を繰り広げている。

ハマスもヒズボラも、イスラエルの敵であるイランの支援を受けている。

「(ハマスと)協定を結べば、ここで起きていることが収まると考える人がいるとすれば、それは間違いです」、とガラント氏は述べた。

AFP

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