
アラブニュース
リヤド: キャピタル・エコノミクスの最近の報告は、石油部門と非石油部門の活動増加に牽引され、サウジアラビアの国内総生産は今年10%成長すると予測している。
ロンドンを拠点とする独立調査会社であるキャピタル・エコノミクスは、これが実現すれば過去10年で最高の年間成長率になるとしている。
キャピタル・エコノミクスの予測では、大幅な石油増産と、非石油部門の成長促進のために実施されると見込まれる財政緩和が相まって、サウジアラビアは10%成長を達成するとされている。
今回の予測は、今月発表された第1四半期GDP速報値に続くものだ。その速報値は、2021年最終四半期からの2.2%成長、また前年同期比で9.6%成長(過去11年で最高の成長率)を示していた。
前四半期比の成長は、OPECプラス合意を背景とした増産による石油部門GDPの2.9%増と、非石油部門の2.5%増によるものだ
1973年の石油危機以来最大のエネルギー価格の上昇と、貿易・生産・消費の世界的パターンを変えたウクライナの戦争が、この記録的なGDP成長に貢献した。
サウジアラビアはOPECプラスの割当量を依然として達成していないが、大幅な増産を行っている数少ない加盟国の1つである。他の加盟国が割当量の達成に努め、ロシアの生産量の減少が見込まれる中、サウジアラビアの石油生産は現在のOPECプラス合意のもとでの予想よりも速いペースで増加するとキャピタル・エコノミクスは予測している。
ワールドバンクは、エネルギー価格は2022年に50%以上上昇したあと2023年と2024年には落ち着くと見ている。
石油価格が高止まりする中、政策立案者が非石油部門を刺激するための財政緩和を実施することが見込まれ、付加価値税も引き下げる可能性があると、キャピタル・エコノミクスの報告は指摘している。
サウジアラビアのPMIの調査によると、非石油部門も過去4年で最速のペースで拡大している。
これは、新型コロナショック後の顧客需要の回復により新規の事業や活動が急増したためだ。
事業の増加は、サウジアラビアの経済資源の多様化を目指す改革計画「ビジョン2030」とも歩調を合わせている。
2022年4月に発表されたIMF世界経済見通しではサウジアラビア経済は2022年に7.6%成長すると予測されているが、今回のキャピタル・エコノミクスによる10%という予測はそれよりずっと高い数字だ。