
タレク・アリ・アハマド
ダボス:石油に依存しない王国の経済の多様化を目指すサウジアラビアの「ビジョン2030」計画に賛同する、インベストコープの共同CEOであるハゼム・ベン・ガセム氏が向くべき方向はたった一つ。上である。
「その正しいビジョンがある今日、地域の理想的なインフラと人々があり、そしてそれに付随する資本があります。これらは希望に満ちた素晴らしい未来の基盤となります」と、ダボスで開かれている世界経済フォーラムの年次総会でアラブニュースに語った。
「サウジアラビアには特に、ビジョン2030が推進する非常に素晴らしい、大胆な経済成長計画があります。その計画の実行には、化石燃料経済をはるかに超えた経済を多様化し成長させる元手となる資本が必要です」。
インベストコープは、中東地域で最大かつ最も歴史のある世界規模の資産運用会社の一つで、未公開株、不動産、信用取引、インフラなどの各部門にわたる代替投資を専門としている。
1982年にバーレーンで設立。同社は、米国、欧州のほか、中東、インド、東南アジア、中国においても国際投資を行っている。
インベストコープは420億ドル以上の運用資産を持ち、中東地域、特に過去15年間にわたり同社が多額の投資を行ってきたサウジアラビアにおいて大口投資家であるとベン・ガセム氏は語った。
しかし、同社は資産を最大2000億ドルまで増やし、サウジアラビアや中東地域の他の国々から投資家を呼び寄せたいと考えている。
インベストコープのサウジアラビアでの投資先には、同国最大のフィットネスグループであるLeejam、スーパーマーケットチェーン最大手のBinDawood Holding、レンタカー事業最大手の一つであるTheeb、医療検査センター最大手のAl Borgがある。
インベストコープは現在、サウジアラビア向けに2つの特定ファンドを募集している。
1つ目は、在サウジアラビア企業に投資する未公開株式ファンド「サウジ・プレIPOファンド」で、タダウル証券取引所への上場に向け準備する予定だとベン・ガセム氏が説明した。
2つ目はインフラファンドで、この地域の社会基盤への投資に重点を置く予定。
ベン・ガセム氏は、インベストコープほどタダウル証券取引所に上場している未公開株式投資会社が他にないことを「とても誇りに思う」と述べた。
「これは始まりであり、近い将来、さらに多くが加わるものと思いたい」と述べた。
サウジアラビアでの新たな投資展開について、ベン・ガセム氏は、同社はテクノロジーの大ファンであり、サウジアラビア最大のテクノロジー事業の1つへの大規模な投資を近く発表したいと考えていると述べた。
同社はテクノロジー事業を支え世界規模で発展させたいと考えている。「それがインベストコープの得意とするところなのです」と彼は言う。「サウジアラビアの企業が地球規模で考え、行動を起こし、地球規模での方法で製品やサービスを販売し始めるべき時期に来ていると思います」
さらに彼はこう述べた。「サウジアラビアには能力があり、製品・サービス・人材があります。我々は、そのための事業を支援できることを嬉しく、誇りに思っています」