
東芝の経営陣は3日、いわゆる「強い東芝」を取り戻すために適切な入札企業を選ぶ努力を擁護する中で、株式非公開化は依然として日本の同ハイテク企業にとっての1つの選択肢だと語った。
東京に本社を置く東芝は、再建計画に対する株主の賛同を得ようとしている。同社は、東芝の非公開化を提言している8社を含め、出資パートナーになる可能性がある企業の国籍やその他の詳細を明らかにしていない。
東芝のジェリー・ブラック社外取締役はオンライン記者会見で、応募企業の提案の評価方法は、全ての利害関係者に対して透明性が確保されたものになると強調した。
東芝にとっての目標は、明確な方向性とリーダーシップを示し、同氏の言う「根本的な変革」を迅速に実行することだと、ブラック氏は記者団に語った。
3月、株主は東芝を2つの事業に分割するという、会社側が提案した改革案を否決した。
海外の投資ファンドや米国に拠点を置く議決権行使助言会社、インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズを含む一部の株主はこの案に反対した。また、同じく否決されたその前の案は、3分割を求めていた。
国際的なコンサルティングや、経営難の日本企業を立て直した経験を持つブラック氏と、シーメンスの元役員である島田太郎氏は、別の案を考え出そうとしている。
「前に進むために、資産を集中させることが重要だ。東芝は弱くなったと多くの人が言っている」と、3ヵ月前に社長を引き継いだ島田氏は語った。
東芝によると、選択肢は6月28日の株主総会後に絞られる予定だという。同社はこの総会で、社外取締役数人を任命することに対する株主の承認を求める。選ばれた出資パートナーは、7月に法的拘束力のある提案書の提出を求められる予定だ。
日本政府が一部出資する産業革新投資機構と米国の投資ファンド、ベインキャピタルは、東芝の買収を試みている企業の一部になっていると報じられている。
ブラック氏は、東芝は日本政府と緊密に連携しながら選択肢を評価していると述べた。
しかし、買収を成立させられるようにする上で、買収企業に日本のパートナーが必要になるのかどうかは、依然はっきりしない。
「日本にも世界にも、強い東芝が必要になるだろう」と、ブラック氏は記者団に語った。
東芝は、2011年3月の福島原発事故以来、苦境に陥っている。津波によって3つの原子炉がメルトダウンし、ある地域に放射能をまき散らして、そこはいまだに立ち入り禁止区域となっている。同社は廃炉作業に携わっており、この作業は数十年かかる予定だ。
同社の評判もまた、長年にわたり帳簿が改ざんされるなどの会計スキャンダルによって失墜した。
東芝は最近、光検出技術、フレキシブル材料、バッテリー、次世代原子炉など、デジタル事業、データサービス、インフラに注力することで企業価値を高めると約束した。
ここ数年、改革を通じて東芝を導こうとしてきた綱川智前社長は、役員から退く。
約150年前に設立された東芝は、数十年にわたり優れた技術力を誇ってきた。現在でも、コンピューター、電子機器、家電製品などを含む幅広い事業を展開している。
AP