
日本のセブン&アイ・ホールディングスの百貨店部門子会社であるそごう・西武の売却について、ソフトバンク系投資ファンドの米フォートレス・インベストメント・グループが優先交渉権を獲得し、約2000億円(14億8000万ドル)の買収額を提示した。日経新聞が3日、関係者の情報として報じた。
セブン&アイは主力部門のコンビニエンスストア事業に専念すべきだとする投資家の圧力がかかる中、フォートレスはそごう・西武の取得について優先交渉権を得た。
フォートレスは、ロイター通信によるアメリカ国内での業務時間外の取材に対し、コメントを出さなかった。セブン&アイからも、即座に回答を得られなかった。
日経は、アメリカに本社がある未公開株式投資会社であるフォートレスが、そごう・西武の百貨店の買収後の再建計画について、日本の家電量販店チェーンであるヨドバシホールディングスと協議しているとも報じた。
同紙によると、フォートレスはヨドバシに対し、東京・池袋にある西武百貨店内でヨドバシの店舗を運営させることを検討中。
セブン&アイの4.4%の株式を所有する投資会社であるValueActはセブン&アイに対し、そごう・西武部門の売却を促してきた。ValueActは今年2月、コンビニ店舗事業に専念することにより、セブン&アイは株価を2倍以上にできると述べていた。
セブン&アイは4月、同社が事業ポートフォリオの改革を引き続き進めるとし、そごう・西武部門を戦略的に見直すためファイナンシャルアドバイザーを採用したと述べた。
日経の報道によると、セブンイレブンの親会社であるセブン&アイは、雇用や一部店舗の閉鎖の可否を含め、フォートレスとさらに詳細な協議を進める予定。
ロイター