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今週のスタートアップ企業:サウジアラビアのベンチャー企業による、持続可能な食料生産への明るい未来

Oaesisの目的は、サウジアラビア・ビジョン2030の改革計画に沿って決められた。
Oaesisの目的は、サウジアラビア・ビジョン2030の改革計画に沿って決められた。
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07 Jan 2020 09:01:10 GMT9
07 Jan 2020 09:01:10 GMT9

アラブニュース

  • 今回は、持続可能で効率的な資源を活用することで、「ビジョン2030」の廃棄物の削減とより良質な食料の提供を実現するという目標の達成を後押ししようとするスタートアップ企業である

ジェッダ:最新のレーザー技術を使用した食料生産に、新たな光を投げかけようとするサウジアラビアのあるスタートアップ企業

起業家のVasiliki Kordopati氏とRobert Werfelmann氏によって設立されたOaesisは、光を利用した製品を持続的に成長させることで、食料不足という世界的な問題に対する、解決の後押しをしている。

園芸産業はレーザーを使った同社の人工照明システムを導入し、それ以降大きな恩恵を受けている。「当社では、可視光スペクトル範囲内のレーザー技術を利用し、これまでより効率的な方法によって植物を育てています」とKordopati氏はアラブニュースに語った。

「(サウジアラビア国内の)植物やサラダのほとんどが輸入品で、長距離輸送されたものだということに私たちは気づき、話し合ったのです。『湾岸地域とサウジアラビアには、農薬や化学物質を使用しない、新鮮な地元の農産物が食べられる屋内農園がないのはどうしてなのか』」

Oaesisは、レーザーを使用したエネルギー効率の高い栽培ライトを、屋内農業向けに製造する世界初の会社であるとされる。栽培者は新鮮で健康にいい野菜や果物を、年間を通して生産できるようになった。

「レーザー技術を利用したことでエネルギー消費が抑えられ効率が高まった、人工光を製造しています」とKordopati氏は言う。「屋内農業植物(マイクログリーン、レタス、ハーブ、ベリーなど)ならばどんな種類でも商業規模で育てることができる技術で、手軽に収穫量を最大限に増やすことができます」

さらに、熱放出の少ない光を使用することは植物にもいいことなのだとKordopati氏は言う。Oaesisのシステムは「これまでの技術と比較して、植物に最大4.5倍の光を照射しているうえに、熱放射をおよそ80%削減します。当社のシステムならば、これまでの技術コストに対する競争力があり、屋内農場の総運用コストが35%削減されたという結果が出ています」

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サウジアラビアの人口は2030年には3950万人に達するという予想があり、「食料生産の需要は35%上昇する」とKordopati氏は指摘する。持続可能な方法により湾岸地域で食料を栽培しようとした場合に、考えられる最善策の1つとして、大量の水と土地を使用する従来の農業方法とは対照的な、屋内・垂直型農場を使用することがあった。

「サウジアラビアのビジョン2030では、これまでよりも持続的、生産的、そして効率的な方法によって地元の食料を生産する方法を取ることで、この問題に取り組んでいます」

Oaesisの目的は、サウジアラビア・ビジョン2030の改革計画に沿って決められた。「当社の目的は、湾岸地域と海外の企業に対する支援を増やすことや、農場の状況を改善し、これまでよりも少ないエネルギー需要で、しかももっと新鮮で栄養価の高い農産物を提供することです」と、Kordopati氏は続けた。

「また、Oaesisは湾岸地域と海外の新規屋内農場が、サウジアラビアの市場に参入する状況が作れたらと思っています」

それだけではなく、このスタートアップ企業は、持続可能で効率的な資源を活用することで、ビジョン2030の廃棄物の削減とより良質な食料の提供を実現するという目標の達成を後押ししようとしている。「未来は、エネルギーができる限り効率的に使用されるような世界になったらいいなと私たちは思っています」

Kordopati氏はOaesisという社名について次のように語っている。「サウジアラビアという国に私たちは暮らしています。そして砂漠のにある植物というと、オアシスが頭に思い浮かびます。私たちはこの国に想像上のオアシスを作っているのです。そして、誰の真似でもない仕事をしていきたいと思っています」

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