アラブニュース・ジャパン
東京:サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外相は、ロシアがOPEC+という石油輸出国同盟の不可欠な一員であると改めて強調し、この同盟なしでは市場への適切な石油供給を確保することは不可能である、と付言した。
2年半前にアラブ・ニュース・ジャパンが創刊を発表した東京の日本外国特派員協会において、7月19日に開催された、アラブニュース・ジャパン円卓会議で、同外相は次のように述べた。「我々はOPEC+を通じて石油市場の安定を維持することに注力しており、OPEC+内の対話は非常に強固です。石油市場の需要に応じて適宜対応しています」
「市場に石油が不足しているのではなく、精製能力が不足しているのです」
ファイサル王子は冒頭で、日本の故安倍晋三元首相を悼んだ。
「安倍元首相の早すぎる死は、極めて悲劇的で、王国に大きな衝撃をもたらしました。故安倍晋三氏は、世界的な舞台で多大な影響を与えた傑出した政治家と我々は認識しており、両国関係にも大きな影響を与えました。彼は、我々サウジアラビアの友人であり、両国の戦略的関係の強化に貢献した人物でした」
「我々は彼の逝去の報を受け非常に悲しく、ショックを受けました。私は今朝サウジアラビアの指導者達からの哀悼の意を(日本の)首相と外務大臣にお伝したところです」と外務大臣は述べた。
その後同外相は、新型コロナのパンデミックにより2年間の空白が生じたにも関わらず、サウジアラビアと日本の関係が強化されている話題に移った。
「世界的なパンデミックはパートナーシップに何らかの影響を与えました。ここに私がいる理由の1つは、日本との関係において、パンデミック以前の勢いを間違いなく維持するためです。今回の訪問以前から我々は日本政府の皆様と、過去数年来取り組んできた議題項目の全てが継続するよう取り組み、未来に焦点を当てています」
同外相は、米国のバイデン大統領が最近ジェッダを訪問した時の出来事の一部を明かし、エネルギー市場の安定化に対してサウジがいかに責任をもって取り組んでいるのかについて、改めて説明した。
この会議は、アラブニュース・ジャパンのアリ・イタニ地域代表が司会を務め、NHK、時事通信、共同通信、テレビ東京、朝日新聞、読売新聞などの日本の大手メディアによる質疑応答が行われた。
円卓会議には、ナーイフ・マルズーク・アル・ファハーディ駐日サウジアラビア大使並びに岩井文男駐サウジアラビア日本国大使が臨席した。