
石油元売り最大手JXTGエネルギーの大田勝幸社長はインタビューに応じ、中東情勢の緊迫が続く中、「中東以外の原油調達を増やしていく」と述べ、多角化を進める方針を示した。エネルギー安全保障などの観点から、米国産や極東ロシア産の取引拡大を進めているという。
インタビューは2019年12月26日に行った。
大田氏は19年9月のサウジアラビアの石油関連施設への攻撃などを契機に、リスク回避のため多角化が必要との判断を強めたと説明。世界有数の産油国である米国や日本に近接する資源大国ロシアとの関係強化を図る方針だ。
ただ、中東産は「ボリュームや経済性で圧倒的な部分がある」と語り、主要調達先としての位置付けは変えない考えも示した。
データは公表していないが、同社の原油輸入に占める中東産の比率は8割強とみられる。中東依存度を一気に下げるのは難しいため、原油輸送の要衝だが、地政学リスクが高いホルムズ海峡をタンカーが通過しなくて済むオマーンなどからの調達拡大も検討する意向だ。
JIJI Press