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日銀、金融政策決定会合でインフレのリスクを議論、微妙な方針変化も

日本銀行(日銀)の黒田東彦総裁。(AFP)
日本銀行(日銀)の黒田東彦総裁。(AFP)
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03 Oct 2022 06:10:20 GMT9
03 Oct 2022 06:10:20 GMT9

日本での拡大する物価上昇を受けて、中央銀行の一部の政策担当者は先月、インフレは予想を上回る可能性があると警告し、黒田東彦総裁は超低金利政策の維持を正当化するのに苦心するだろうと強調した。

9月の会合の要約、「主な意見」によると、金融政策決定会合のメンバーの一人は、日銀がいずれは超金融緩和策からの出口戦略について議論せざるをえないとの認識をも示した。

脆弱な日本経済を支えるため、大幅な金融緩和継続の必要性を指摘する声が大半を占めたが、同時にいくつかの意見は、かつては積極的緩和策の支持者が支配的であった日銀同会合の緩やかな政策変更を示した。

月曜日に発表された「主な意見」によると、メンバーの一人から次のような発言があった。「消費者物価が、我々の基本的シナリオから大きく逸脱して上昇するリスクがある。これは部分的には為替相場の動きの影響によるものだ。いかなる先入観も排除して、謙虚に検討を行う必要がある」

「高騰する原料価格を背景に、企業からは値上げの発表が続く。物価上昇は、幅広い品目にわたる可能性が高い」と、要約にある他の意見は述べている。

9月21日から22日に行われた会合で、日銀は超低金利と金融緩和策をインフレ率が目標の2%を安定して達成するまで継続するという指針の維持を決定した。2人の新任委員、7月に着任した民間銀行出身の鈴木人司氏とハト派の経済学者、片岡剛士氏が参加する初めての会合となった。

日銀の立場は、世界的に中央銀行がインフレ対策のため、金融引き締め策に走る中、孤立したものとなっている。このため、円はドルに対し過去24年間で最安値をつけた。

JPモルガン証券のチーフエコノミスト、藤田亜矢子氏によれば、「会合出席者の大部分は、物価の上昇が拡大しているものの、これが物価目標を達成するために重要となる持続的な賃金上昇に結び付くかどうかは現時点では不明だと考えているようです」

「ですが、7月と比較して、委員の中でも物価と賃金の見通しについての意見に変化が生まれつつあるようです。日銀の政策の見通しにとって鍵となるのは、これらの意見がより幅広く共有されるかどうかでしょう」と彼女は説明した。

9月の会合では、一人のメンバーが、市場の参加者の一部が抱いている、部分的には日銀の国債買い入れによって生じた、債券市場の機能のゆがみに関する懸念に言及した。

「将来的にどこかのふさわしいタイミングで、日銀が市場と出口戦略について適切な対話を行うことが重要だ」と委員の一人は発言した。

日本のコア消費者物価インフレ率は原料費の高騰と円安の拡大による影響で、8月に2.8%を記録し、日銀の目標とする2%を5か月連続で上回った。

月曜日に発表された日銀短観では、企業は2%以上のインフレが今後5年間続くと予想しており、最近の物価上昇は短期的なものにとどまるという日銀の予測に疑問を投げかけている。

ロイター

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