アラブニュース・ジャパン

アブダビ：UAEにおける食料安全保障の課題と国家的な食料安全保障の懸念についての円卓会議が、アムチャム・アブダビの主催により、エリート・アグロ プロジェクトLLCが後援するイベントの一環として開かれた。

「変化する世界情勢における国家安全保障の基盤としての食料安全保障についての円卓会議」と題されたこの討論会には、テクノロジーと農業分野の第一人者が参集した。

この円卓会議では、特に最近の国際的事件によって露呈した食料のサプライチェーンの脆弱性を踏まえ、食料安全保障が国家安全保障の構造において不可欠な柱として非常に重要な役割を持っていることが示された。

アムチャム・アブダビのテクノロジー&イノベーション委員会の共同委員長で、エリート・アグロ プロジェクトの統括責任者であるハッサン・ハラウィ氏が行った基調講演では、持続可能な生産から最適化されたサプライ・チェーンに至るまで課題に対処するためのテクノロジーの重要な役割と、将来の食料危機に対応し得る国家的な回復力を強化することの不可欠性が強調された。UAEは、その戦略的な計画により、2022年の世界食料安全保障指数で23位となっており、2051年までにこの分野において世界の牽引役となることを目指している。

「最近の世界的な事件のいくつかにより、私たちの食料のサプライチェーンの脆弱性が明らかになりました。そうした出来事により、食料安全保障の重要性が増し、国民の幸福のための単なる一要素としての役割を超えて、国家安全保障の仕組みにおける主要な柱となりました」と、ハラウィ氏は語った。

「フィンテックから遺伝学に至るまで、テクノロジーの進歩は食料システムの安全保障を強化する透明性の高いソリューションを提供してくれます。この円卓会議の目的は、潜在的な可能性を掘り起こし、ソリューションを構想し、将来発生し得る食料事情の混乱に対応する回復力の強化のための包括的な計画を構築するために新たな道筋を見出すことです。この円卓会議における協力、そして、素晴らしいゲストの方々のご出席は、回復力の高い、安全な食料の未来に向けた包括的な計画を構築することへの献身的な取り組みを示しています。私たちは、私たちの国UAEと国際社会にとって有効な行動計画を協力して作成することを目指しています」

出席者たちは、積極的に議論を交わし、より強固な未来を構築するための戦略を発表した。このイベントでは、食料安全保障の取り組みを強化し得る革新的なテクノロジーの役割、特に「アグテック」に光が当てられた。

二番目のパネルディスカッションでは、テクノロジーを活用するための枠組みについて議論が行われた。専門家たちが、技術的な選択肢や指針、戦略、利害関係者、そして極めて重要な役割を持つ巨大IT企業について踏み込んで話し合った。。

このパネルの焦点は、プリサイトやバヤナット、WWT、オラクルなどのUAE内外のテクノロジー企業と食料安全保障の改善のためのテクノロジーの戦略的統合だった。

専門家たちは、農業分野において変革を起こし得るAIの影響について議論を行い、データを実践的な洞察に変換するAIの役割の重要性を強調した。IoTとAIは、莫大な量のデータを効率的に処理し、予測的な分析により、世界と地域の食料安全保障をより強固にし得ることから注目を集めた。

データプライバシーやAI利用における公平性は非常に重要であるとされた。

まとめと締めくくりとして、議論と専門家の意見を要約した白書とすぐに実施可能な作業計画の作成が提案された。

白書の目的は、政策立案者や企業、利害関係者が農業のより持続可能で安全な未来を実現するにあたっての指針を提供することである。この提案では、食料安全保障だけではなく、食料主権を優先することや、戦略的な農業への資金供給を唱道すること、水やエネルギー、食料生産の相互関連性の認識、農業慣行の影響の管理のために環境会計の導入を促進することの重要性がアピールされている。