
アラブニュース
リヤド:国際通貨基金によると、サウジアラビアはG20諸国の中で最速の成長を遂げるとされたが、加速するインフレと利率の急上昇による混乱にもかかわらず、その地位を保った。
アメリカに拠点を置くIMFは最新の報告書で、2022年のサウジアラビアの成長率を7.6%とした。
これは4月の報告書と同じ数字である。
IMFは2022年のイラクの成長率を9.3%とし、アラブ諸国の中では、最速の成長を遂げると予想している。
報告書によると、「IMF職員による基本的な成長予測は、主に2022年度予算で概略が示されている、政府の政策に対する理解に基づいて行われる」
サウジアラビアの成長予測は、GDP成長率を4.8%とした1月のIMFの予測とは対照的である。
2023年に関しても、IMFはサウジの成長率を前回の報告時と同じ3.7%としている。
今年のG20諸国での成長率では、インドが6.8%で第2位となった。
ただし、この数字は7月に発表された前回報告に比べると、0.6%減少している。
これに続いてインドネシアが5.3%、トルコが5%、アルゼンチンが4%、オーストラリアが3.8%、イギリスが3.6%の成長率を見込まれている。
アラブ諸国の中では、イラクと成長率8.7%のクウェートに続いて、サウジアラビアは第3位を占めている。
エジプトは成長率6.6%で第4位、UAEは5.1%である。
世界規模では、IMFはロシアの対ウクライナ戦争、慢性的なインフレ圧力、急激な利率変動、未だに残る世界的パンデミックの余波などを挙げて、2023年の世界経済の成長見通しを下方修正した。
IMFは来年の世界経済の成長を、7月に発表した2.9%から2.7%に下方修正した。
一方でIMFは今年の世界経済成長率については、変更はないとした。
今年の成長見通しは3.2%で、昨年の6%という数字からは大きく減速している。
「世界の状況は不安定で、暗雲が立ち込めている」とIMFの報告書は形容している。
IMFは次のように警告する。
新興市場諸国経済は高い借入コストや高インフレ、不安定な商品市場といった「多数のリスク」と取り組んでいる最中であり、いかなる急速な景気後退からも深刻な影響を受けるであろう。
また、以下の点にも注意を促している。
企業部門においてはクレジット・スプレッドの差が大幅に拡大しており、金利の上昇が住宅市場に負の影響を与える恐れがある。