
三菱電機は20日、社内ネットワークがサイバー攻撃を受け、個人情報と企業機密が外部に流出した可能性があると発表した。ただ、社内調査の結果、防衛関連や電力・鉄道など社会インフラに関する重要な機密情報の流出は確認していないという。
サイバー攻撃は昨年6月28日、社内端末に不審な動きがあったことをきっかけに判明。社内のパソコンやサーバーが侵入されており、同社は速やかに外部からの接続を制限する対策を講じたという。
不正アクセスは同社の多数の事業本部に及ぶなど大規模で、形跡が残らないよう工作するなど手口は非常に巧妙だったという。防衛関連の機密情報を狙う中国系ハッカー集団が関与した可能性もある。
三菱電機の情報に加え、取引先である防衛省や原子力規制委員会、内閣府など官公庁、電力や通信、JR・私鉄、自動車など他の民間企業の情報も不正アクセスを受けた。社内会議の資料のほか、技術情報や社員の個人情報が流出した可能性がある。ただ、防衛関連や社会インフラに関する重要情報は別の方法で管理していたため、流出は防げたという。
同社は「現在までのところ、被害や影響は確認されていない。関係者や顧客に多大なご心配とご迷惑をお掛けし、深くおわびする」とコメントした。
菅義偉官房長官は20日の記者会見で「政府として不正アクセスの報告を受けた。防衛装備品や電力関係など機密情報の流出がないことは確認済みだ」と述べた。
JIJI Press