
アラブ・ニュース
リヤド: アラムコと山東能源集団との間で結ばれた新たな合意により、サウジアラビアから中国山東省への原油供給が実現する可能性がある。
サウジアラムコは山東能源集団との間で、交渉段階の原油供給契約と化学製品引取契約を記載した了解覚書(MoU)に署名した。MoUは、中国・山東省で下流部門の構築を進めるサウジアラムコの立場を支持するものだ。
また、MoUでは、両社が中国における石油精製事業と石油化学事業を統合する機会について協力関係を模索していることも示されている。
署名式は、山東省人民政府の参加を得て行われ、サウジアラムコの山東能源との協力関係の重要性を物語っていた。
MoUの対象範囲は、水素、再生可能エネルギー、二酸化炭素回収・貯留に関連する技術全般にわたっての協力関係に及ぶ。
サウジアラムコの下流部門担当シニアヴァイスプレジデントムハンマド アル カータニ氏は、次のように述べている。「中国のエネルギー中心地におけるこのような協力関係を通じて、我々は、石油精製・石油化学プロセスの統合を推進する中国において、成長のための新たな道を開拓しようとしている」
「水素、再生可能エネルギー、二酸化炭素回収に関して協力に前向きな姿勢がとられていることを嬉しく思うとともに、我々の未来を形作る重要な分野における一層の協力の可能性に期待している」
山東能源集団のリー ウェイ会長は、次のように述べている。「山東能源とサウジアラムコは、国際的なエネルギー分野で重要な役割を担っている。我々は産業チェーン全体にわたって、特に石油・ガス資源の開発および石油精製・石油化学事業における統合開発ににおいて、多くの共通利益と相補的な戦略を有し、広範囲での協力が可能である」
サウジアラムコは、2030年までに石油化学品生産能力を日量400万バレルに拡大することを目指しており、今回の発表は、中国におけるエネルギー、石油化学品、非金属の需要を支えるサウジアラムコの取り組みを後押しするものだ。
今回のMoU は、中国の習近平国家主席のサウジアラビア訪問によりサウジアラビアと中国の関係が強化される中、締結された。
訪問の結果、両国組織が関与する35の投資協定が結ばれた。
投資協定は、グリーンエネルギー、テクノロジー、クラウドサービスなど、様々な分野をカバーしている。
また、輸送、物流、医療産業、建設業、製造業、石油化学プロジェクト、住宅開発、中国語教育なども対象範囲に含まれている。
投資協定は総額にして約300億ドル相当で、中国が新型コロナウィルス感染症で打撃を受けた経済の立て直しを図り、サウジアラビアが「ビジョン2030」に沿って経済的・政治的同盟関係の多角化を進める中で成立した。