
パリ:フランスの自動車大手ルノーは、火曜日に、元フォルクスワーゲン(VW)重役のルカ・デメオを最高経営責任者(CEO)に任命し、カルロス・ゴーンの逮捕がもたらした1年におよぶ混乱の末、足掛かりを取り戻そうとしています。
ルノーの取締役会は、7月1日に52歳のイタリア人であるデメオが新しい役職に就任することに決定したと同社は会見で述べました。
10月から暫定CEOを担っていた元最高経済責任者(CFO)クロチルド・デルボスは、同日に、副社長に就任します。
ルノーの取締役会は、「デメオは、その経歴、経験と前職での成功から、ルノーグループの成長と改変に全面的に貢献できる資質を併せ持っている」と信じていると同社は述べています。
デメオにとって、ルノーでの役職は一種の原点回帰でもあります。彼は1990年、ルノー入社とともにキャリアをスタートし、その後トヨタ、フィアットでの役職を経て最終的には2009年にVWでAudiのマーケティングを担当しました。
その後、VWスペイン子会社セアトの社長に任命されました。セアトは去年、史上最高の年間売り上げを達成しました。たったの数年でブランドの運命を覆した快挙です。
デメオは、10月にルノー社長ジャンドミニク・スナールが日本のパートナー日産との信用を取り戻すため「フレッシュスタート」が必要だとして解任したゴーンの元側近ティエリー・ボロレの後を引き継ぐことになります。
「この新しい管理体制は非常に喜ばしいことで、グループにとってもアライアンスにとっても決定的な一歩だと言えるでしょう」とスナールは会見で述べました。また、デメオのことを「すばらしい戦略家で刻一刻と変化する自動車業界に関して先見の明を持っている」と評価しています。
「優れた専門性と、何より車への情熱を併せ持つ彼は、グループにとって貴重な財産です。
「デルボスと協力して、「彼らは、ルノーの大望にふさわしい質の高い、多才なチームとなるだろう」と加えています。
このアライアンスは、2018年11月東京でのゴーンの衝撃の逮捕の後、瀬戸際にありました。この逮捕は、何百万ドルもの給与の過少申告を含む経済的不祥事の罪によるものでした。
その後、ルノーはヨーロッパ自動車メーカーにとって強まりつつある逆風の中、売り上げが停滞し、株価も過去1年で半分以下に落ちました。
ゴーンは、日本からレバノンへの恥知らずの逃亡に次いで何百万ユーロもの退職金とその他の報酬をルノーから受け取っていました。
デメオは、今月始めに辞任したセアトとの契約履行の関係で新しい役職にすぐには就任できない可能性があると、ルノーに近い情報源はAFPに語ります。
彼は、ルノー120年の歴史上初めての外国人のトップとなります。レバノン生まれのゴーンは、2005年にグループの舵を取る前にフランスの国籍を取得していました。
デメオは、フランスで就学し、ドイツ語と英語を含む5ヶ国語を操ります。
AFP