
リヤド:ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)によると、サウジアラビアの銀行部門は、強力な収益成長を背景に2022年に活況を呈し、今後もさらなる利益増加が見込まれているという。
米国を拠点とする同社の分析によると、王国の銀行部門の税引き後の利益は2016年以降、年平均7.9%増加しているが、パンデミックなどの世界的な出来事により、その期間内には大きな変動があった。
2022年、この部門は前の12カ月と比較して14%の利益増加を記録した。
その収益性は、「王国の野心的な『ビジョン2030』構想や、湾岸協力会議諸国(GCC)全体が経験した好景気」によるものであると報告書は指摘している。
BCGによると、原油価格の回復と金利の上昇は、パンデミック後の回復に大きく貢献し、経済成長と個人消費を押し上げたという。
「サウジアラビアの銀行部門は、今後数年間の成長に向けて好位置につけている。王国の『ビジョン2030』構想に加え、エネルギー価格の高騰や観光客の増加が、GCCにおける好景気を牽引しており、サウジアラビアはこうした動向の最前線にいる」とBCGのマネージングディレクター兼シニアパートナーであるマーカス・マッシ氏は述べている。
サウジアラビアは、ビジョン2030に基づいて、王国を拡大し、経済を石油から脱却させる多数のメガプロジェクト、イニシアチブ、改革を計画し、実行し始めている。
「こうした進展は、サウジアラビアの銀行部門の業績に反映されており、同部門は待望の収益性の高い時期を迎えている」と報告書は述べている。
またBGCは、中東と中央アジアの輸出業者が2027年までに従来の予想よりも約1.4兆ドル多く利益を得るという予測を引用し、エネルギー価格の上昇もサウジアラビアの追い風になると述べている。