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GCC地域の銀行は米国の銀行の最近の苦境に強い:ムーディーズ

GCC地域の銀行はリテールおよびコーポレートバンキングにおいて広範なフランチャイズを持つことが多いと、格付け会社が指摘している。(Shutterstock)
GCC地域の銀行はリテールおよびコーポレートバンキングにおいて広範なフランチャイズを持つことが多いと、格付け会社が指摘している。(Shutterstock)
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20 Mar 2023 05:03:29 GMT9
20 Mar 2023 05:03:29 GMT9

アラブニュース

リヤド:湾岸協力会議地域(GCC)の銀行はそれぞれの主権者と強く結びついており、最近破綻した米国の銀行の影響は受けていないと、世界的な格付け機関であるムーディーズが発表した。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスの最新レポートによると、GCC地域の銀行が回復力を維持しているのは、広範なフランチャイズ展開と政府によるバランスシートへの強い関与であるとされている。

この格付け会社は、GCC地域の銀行はリテールおよびコーポレートバンキングにおいて広範なフランチャイズを持つことが多いと指摘した。

同地域の政府は銀行のバランスシート全体において、主要株主、借り手、預金者として真っ先に表れてくるが、これが協力的で相互接続された経営環境を促進している。

同レポートでは、GCC地域は公共部門機関、年金基金、企業を通じて、銀行システムに対する直接・間接の株式保有を続けているとも報告している。

GCC地域では2022年の石油収入の増加により拡大した一定の預金流入により、銀行の資金調達プロファイルを支えている。

さらに、政府はGCC地域の銀行に融資機会を提供もしている。これは特にサウジアラビアで政府支出が支援する非石油部門(融資活動の大半がこの部門で行われている)で、政府の経済多様化政策の実施において重要な役割を果たしている。

「これらの要因はすべて、GCC地域の銀行が地域経済の中核であり続けることを保証し、突然の市場ショックから銀行を保護するものだ」と、ムーディーズは声明にて述べた。

2022年12月当時、GCC地域の銀行システム全体では、保有する非持分負債の大半を低コストで信頼性の高い顧客預金がカバーし、負債総額のほぼ4分の3を占めていた。

イスラム金融の面では、GCC地域の銀行機関全体でイスラム金融機関が急速に拡大しつつある。というのも、イスラム金融機関の預金は従来の銀行よりも安価であり、特に高金利の時期には銀行の収益に貢献するからだ。

同格付け会社のレポートによると、2022年末時点で、サウジアラビアは最大のイスラム銀行フランチャイズを有しており、準ゼロコスト預金が預金総額(イスラム型および従来型の合計)の55%を占めている。

またムーディーズは、湾岸諸国の銀行が十分な流動性バッファを有し、信頼感に左右される市場資金への依存度が低いことを強調した。

「サウジアラビアにおいて、銀行が大きな信用需要を考慮して追加の市場資金を求める可能性が高い場合を除き、銀行がより不安定な市場資金を調達すれば、有形銀行資産の平均20%程度で安定的に推移すると予想している」と、ムーディーズは発表している。

また、サウジアラビアの銀行は長期の債券を保有する傾向があり、満期保有目的債券のかなりの割合が変動金利証券で占められているとのことだった。

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