アラブニュース・ジャパン
東京:日本の萩生田光一経産相は、英石油大手「シェル」をはじめ欧米企業が撤退を表明しているロシアでのエネルギー事業について、「日本が抜けて、第三国が権益を獲得したら制裁にならない」と慎重な立場を示した。
国家のエネルギー政策を担当する萩生田氏は「ここで勇ましく、皆さんと足元揃えて撤退しようじゃないかっていうのは簡単なことですけれど、資源のない我が国にとって、やはり国民生活や経済を守っていかなきゃならないっていう点もある」と述べた。
石油ガス開発事業を行うサハリン1には経産省も参加しており、「原油輸入のおよそ9割を中東に依存する日本にとって重要な施設だ。国際社会と連携し、適切に対応する」と語った。
シェルは3月1日、ロシアのウクライナ侵攻に対して、ロシアの国営ガス大手ガスプロムとの合弁を解消し、ロシア極東の大規模な資源開発事業であるサハリン2から撤退する方針を明らかにした。この事業には、シェルが27.5%、ガスプロムが50%出資しており、日本からは三井物産が12.5%、三菱商事が10%参加している。
サハリン2は年間約1000万トンのLNG生産能力があり、日本の輸入量の10%以上に相当する。日経新聞は、日本のガス・電力会社8社がこのうち約半分を長期契約で調達していると伝えた。
サハリンから北東アジアへのLNG船は数日で到着するが、カタールからは2週間以上、米国からは3週間以上かかる。