
リヤド:サウジアラビアに4つの新たな経済特区を設置するとムハンマド・ビン・サルマン皇太子が木曜日に発表した。
リヤド、ジーザーン、ラス・アル・ハイル、キング・アブドッラー・エコノミック・シティに新たな経済特区を設置する目的は、海外の投資家に新たな投資機会を提供することだとサウジ通信社(SPA)が報じている。
「サウジアラビアはビジネスに開放されており、私たちがご提供する歴史的な投資機会を直接ご覧いただくために世界中の投資家を歓迎しています」と、皇太子は述べた。
「今日発表された新たな経済特区は、サウジアラビア国内でのビジネスのスタイルに強いインパクトを与え、数万人の雇用を創出し、国内総生産に数十億リヤルの貢献を為すことになります」
SPAによれば、これらの経済特区は、サウジアラビアの地理的位置の戦略的優位性を活用し、主要な成長セクター全般にわたるビジネスの新しいハブを創り出し、企業の立ち上げや拡大、テクノロジーの開発や革新を可能とし、未来を築くことに資するのだという。
4つの経済特区はサウジアラビアの現行の国家戦略を支えると共に国際的な枠組みとの新たな繋がりを確立し、各地域の競争的優位性を基盤としてロジスティックスや高度製造業、テクノロジーを初めとするサウジアラビアの重点セクターを後押しすることになると、SPAは付け加えている。
これらの経済特区で事業活動を行う企業にとっての利点として、有利な法人税率、そして、製品や生産資材、機械、原材料の輸入時の関税の免除、外国資本100%での企業設立が可能であること、世界の最優秀人材の誘致と採用を可能とする柔軟性がある。
新たな経済特区は、また、地域経済にとって、雇用創出やサプライチェーンの現地化を初めとする発展の素晴らしい足がかりとなるのだと当局者は語った。
また、これらの経済特区は、世界の貿易ルートの中心というサウジアラビアの位置を活かして、同国の海外からの投資先として、また、国際的なサプライチェーンの重要拠点としての発展を促す長期にわたる取り組みの継続であるとされている。
規則とインセンティブを詳細かつ明確にしたプログラムのおかげで、新たな経済特区は海外の投資家に満足のいく魅力的な利益を提供することになると関係者は語った。この経済特区のプログラムは、サウジアラビア全土で事業活動を促進するために必要な改革の加速にも役立つという。
新しい経済特区は、リヤドのキング・サルマン国際空港に設置された総合物流特別区を含むサウジアラビアのこれまでの経済特区設置への取り組みに基づくものである。4つの経済特区は、全体として、海外からの直接投資を促進し、世界中から優秀な専門家を結集し、国内での起業と経済発展を推進することを企図した大規模で長期的なプログラムの第一段階となるのだと、関係者は述べた、
経済都市・経済特区庁に管轄される4つの経済特区は、数多くの国際企業がサプライチェーンの現地化と強化に取り組む際に直面する課題に対する素晴らしいソリューションを提供すると、関係者は付け加えた。そして、また、新たな経済特区は、サウジアラビアがマクロ経済における重要な変化を活かして、真に差別化されたビジネス環境を創出し、新しい産業部門やバリューシェーンを活性化させるのに役立つとされている。
経済都市・経済特区庁の議長を務めるサウジアラビアのハーリド・アル・ファーレフ投資大臣は、「これは心躍る瞬間です。私たちはこれら4つの経済特区の設立を誇りに思っています。4つの経済特区は世界最速で成長しているサウジアラビア経済に出資する機会を海外の投資家にご提供いたします」と述べた。
経済都市・経済特区庁の事務局長を務めるナビル・ホージャ氏は、「非常に魅力的な金融インセンティヴや世界に誇れるインフラ、事業展開しやすい規則体系、投資家向けに合理化された手続きが整備されており、サウジアラビア経済のサクセスストーリーの一部となるのには現在が最高のタイミングです。4つの経済特区は、サウジアラビアの輸出競争力を増強させ、人材を惹きつけ、テクノロジーを発展させ、私たちの世界との繋がりを高めることになります」と付け加えた。
経済特区(SEZ)とは、限定された地域において、基盤経済とは異なる競争優位性や法的枠組みを提供し、投資や貿易、雇用など特定の経済活動を促進する事である。
今日発表された経済特区は広い範囲の業種を対象としている。
キング・アブドッラー・エコノミック・シティ(KAEC)SEZ
自動車のサプライチェーンや組み立てから消費財、ICT、医療技術に至るまで、先進的な製造業とロジスティクスのための最高の環境である。紅海沿いの一等地でジェッダ空港から90分以下の位置にあるこの60平方kmのSEZは、世界銀行が世界で最も効率的と評価したキング・アブドッラー港を通じて、世界の貿易ルートへ他の追随を許さないアクセシビリティを提供する。EV産業の世界的な先導企業でアンカー投資家のルシード・モータースは、毎年15万台のEVをそのKAEC SEZ拠点で製造する予定である。
ジーザーンSEZ
工業の中心であると共にアフリカとアジアの急成長するマーケットとの貿易のための重要なプラットフォームである。ジーザーンSEZは、製品の輸出と原材料の輸入に適した、地域最大の港湾へのアクセスを提供し、天然資源と産業資源の利用を容易とすることで、投資家が、サウジアラビアや世界各国のインフラ開発プロジェクトの恩恵を受けると同時にそうしたプロジェクトに貢献する事を支援する。ジーザーンは、サウジアラビアの肥沃な南西部の一角にあり、地域の増大する需要を満たし食料安全保障の課題を解決する食料製品の生産、加工、流通のビジネスチャンスを提供する。
ラス・アル・ハイルSEZ
アラビア湾における海事産業の先導的企業の跳躍台であるラス・アル・ハイルSEZは、完全に統合された海事ビジネスのエコシステムを形成しており、既存投資家の潤沢なネットワーク(この経済特区の40%が既に契約済み )が存在し、造船、修理、海洋掘削、海運のバリューチェーンの分野で無数の機会を生み出す。
キング・アブドルアジーズ科学技術都市(KACST)のクラウド・コンピューティング経済特区
キング・アブドルアジーズ科学技術都市(KACST)に新たに設立されるクラウド・コンピューティング経済特区は新興技術や破壊的技術のハブとして機能することになる。サウジアラビアの「クラウド・ファースト」政策の具現化であるクラウド・コンピューティング経済特区は、デジタル・イノベーションと急成長するハイテク部門へのサウジアラビアのコミットメントを明確に示している。この経済特区は、投資家に物理的なデータセンターを設立することとクラウド・コンピューティングのインフラをサウジアラビア内の複数拠点に設けることを共に可能とする革新的なハイブリッドモデルに基づいて設置される。