
リヤド:サウジアラビアのエネルギー大臣アブドルアジーズ・ビン・サルマン王子は、サウジアラビアと中国との既存の貿易・経済関係を肯定し、サウジアラビアは世界第2位の経済大国である中国との競争ではなく、協働を望んでいると述べた。
6月11日、リヤドで開催された第10回アラブ・中国ビジネス会議で講演したエネルギー省のアブドルアジーズ大臣は、「サウジアラビアと中国の間での投資に関して、近いうちにさらなる発表があっても驚くことはないでしょう」と語った。
アブドルアジーズ大臣は、サウジアラビアは「ビジョン2030」計画を着実に進めてる一方、中国は「一帯一路」構想を推進していることから、両国の間には相乗効果があると述べた。
「私たちは中国と競争するようなポジションにいる必要はありません。中国と協働するようなポジションに身を置く必要があります。私たちが彼ら(中国)と協力したいことはたくさんありますが、同様に彼らにも私たちと協力したいことがたくさんあります。両国間には多大な相乗効果があります」と同大臣は語った。
そして、サウジアラビアと中国の関係強化に関する批判を「実際のところ無視しています」と言明した。
同大臣は、着実に経済の多様化を進めているサウジアラビアのビジネス環境は投資家向きだと述べた。
「サウジアラビアは地理的に中央に位置するので、非常に多くの関係者に働きかけ、あらゆる人々と関わり合うことができるため、世界的好機が非常に多く存在すると考えています。中国と協力して投資したい方にも、サウジアラビアと協力してここで投資したい方にも、お役に立てます」
2日間にわたって開催された同会議のパネルディスカッションで同大臣は、石油輸出国機構(OPEC)加盟国を含むOPECプラスの最新の合意には、包括的な改革が含まれていると明らかにした。
また、OPECプラスは市場内の不確実性に立ち向かうために取り組んでいるとも語った。
「私たちは、『不確実性やセンチメント』に立ち向かうために取り組んでいます。重要なのは準備態勢を整えておくということだと思います。だからこそ、私たちは予防措置を講じているのです。これは、私たちが先を見越した予防(措置)と呼ぶものの一環です」
同大臣は、「私たちとOPECプラスは、規制当局の役割を果たすことの方に興味があります」と述べた。
2024年末まで供給を制限するというOPECプラスの合意に加え、サウジアラビアは7月に大幅な減産を行う方針を6月初めに示した。OPECプラスは低迷する原油価格の押し上げを狙っている。
サウジアラビア・エネルギー省は、同国の1日の生産量を5月の約1,000万バレルから7月には900万バレルに減らすと発表した。
同大臣は、OPECプラスの新たな合意は生産能力を拡大するために投資している企業にとって有益なものになるだろうと述べた。
「最終的に、この合意が私たち全員にもたらすものは、今年投資する人ではなく、今後数年間、2024年、2025年、さらにその先に投資する人たちにとって、生産割当が増えるので、その投資が評価されることになるということです」