アラブニュース・ジャパン

三菱重工業のパワーソリューションブランドである三菱パワーは、このほどアルミニウム・バーレーン（以下アルバ社）の幹部代表団が日本の三菱重工本社訪問を成功裏に終え、東京と高砂の両事業所でエナジードメインの上級幹部と会談したことを明らかにした。

アルバ社のシェイク・ダイジュ・ビン・サルマン・ビン・ダイジュ・アール・ハリーファ会長は、兵庫県にある三菱重工業の高砂製作所と水素パークを先日視察した際、「アルミニウム製錬所向けに製造された世界初のガスタービン（GT）であるJAC形アドバンストGTがアルバ社の第5発電所（PS5）第4ブロックプロジェクト向けにバーレーンに出荷されるのを目の当たりにし、われわれは大変興奮しています」と述べた。

アルバ社の代表団を率いたのはアール・ハリーファ会長で、アリ・アール・バカリ最高経営責任者とアミン・スルタン電力部門責任者が同席した。今回の訪問では東京の三菱重工本社にも立ち寄り、第5発電所第4ブロックなどお互いの関心事項や、現在三菱重工業のポートフォリオに含まれる持続可能な技術、三菱パワーのパワーソリューションブランドなど潜在的な協力分野についても話し合った。 

アルバ社代表団は、常務執行役員兼ドメインCEO、エナジードメイン長の土師俊幸氏、シニアフェロー兼エナジードメインGTCC事業部長の東澤隆司氏らGTCC事業幹部と会談した。

アルバ会長は、さらに次のように述べた。「われわれはPS5第4ブロック拡張プロジェクトの予定通りの進捗に満足しており、2024年第4四半期に同プロジェクトが完了すれば、当社の温室効果ガス排出量全体が削減され、アルミニウム業界における持続可能で効率的な発電のベンチマークとなり、アルバ社のESGへの旅路が好転することになります」

アルバ社のPS5第4ブロック拡張プロジェクトは、680.9メガワット（MW）のM701JAC形ガスタービン・コンバインドサイクルを備えた同様の構成の4番目のブロックを追加するもので、既存の220kV変電所への接続も含まれる。第4ブロックが2024年第4四半期に稼動すれば、PS5コンプレックスの銘板容量は1,800MWから2,481MWに増加し、全体の温室効果ガス排出原単位比は0.5倍に削減される。

三菱重工業を代表して土師氏は、「アルバ社の幹部代表団を東京本社と高砂製作所および水素パークにお迎えできたことを大変光栄に思います。当社はクリーンな水素発電技術のリーディングカンパニーとして、アルバ社の目標である信頼性の高い効率的な電力供給をサポートするとともに、稼働の卓越性と生産性の継続的な向上に貢献できることを誇りに思います」と述べた。われわれは共に、環境への影響を低減するだけでなく、持続可能で豊かな未来への道を開くクリーンエネルギーソリューションによって、業界を脱炭素の未来へと前進させていきます。今回の訪問は、われわれのパートナーシップをさらに強化し、特にエネルギー転換が困難な分野において、われわれの産業パートナーがエネルギー転換を加速させるのを支援するというわれわれのコミットメントを強化するものです」

三菱重工高砂製作所は、三菱パワーの最新鋭ガスタービンを製造する世界でも類を見ない事業所である。先進クラスのガスタービンの信頼性と性能を確保するため、三菱パワーの超新鋭の電力網接続施設「第二T地点」において、実際の発電所と同じ条件下で長期にわたる厳しい試験・検証を行っている。併設される高砂水素パークは、水素製造から発電まで、水素関連技術を検証する世界初の拠点である。

三菱重工グループは、エネルギー転換戦略の一環として、既存のエネルギー構造と水素関連技術のさらなる融合・高度化を図り、水素の製造から利用までのバリューチェーンを構築していく。三菱重工業は、この取り組みをさらに発展させ、水素を核としたさまざまな産業と連携させることで、持続可能な社会の基盤となる「水素エコシステム」を構築し、高砂水素パークでの実証を通じて事業化を加速させていく。