リヤド:サウジアラビアとクウェートが、海上の「中立地帯」にあるアル・ドーラガス田の独占所有権を主張している。この収益性の高い場所をめぐり長期間続いている論争において、イランとの緊張が再び高まった後のことである。
サウジの外務相は共同所有権を再確認し、イラン対し、この地帯の東部境界線を画定するための交渉に参加するよう求めた。
クウェートの石油相もこの油田に対するイランの主張を否定し、同地帯に関する議論を開始するようテヘランに促した。
サウジ通信社が4日に発表した声明では、外務省の情報筋が、「中立地帯」の天然資源を所有しているのはサウジアラビアとクウェートのみであると強調した。
「我々は、イラン側と反対の立場にある交渉当事者として、王国とクウェート間にある海洋中立地帯の東部国境線を画定するための交渉を開始するよう、イランに対し以前行った要請を再開します」と同省は述べた。
サウジアラビアの宣言に続き、クウェートもアル・ドーラガス田に対する自国の独占的権利を主張した。国営通信社KUNAによると、クウェートのサアド・アル・バッラーク石油相は、イランが計画しているこの地域での活動に強い反対を表明した。
「アル・ドーラ海洋ガス田周辺におけるイランの計画的な活動を、断固として完全に拒否します」とアル・バッラーク石油相は述べた。
第8回石油輸出国機構(OPEC)国際セミナーでのアッシャルクルとのインタビューで、石油相は次のように付け加えた。「イランはまず、国境画定に加わらなければなりません。それを経て権利を持つ国が、国際法の規則に従って活動できるようになるのです」
クウェート外務省に近い情報筋は、KUNAに対し、「アル・ドーラ沖合いの海域はクウェートの領海の一部であり、そこにある天然資源はクウェートとサウジアラビア間で共有されています」と明らかにし、イランのあらゆる主張を退けた。
同情報筋は、「クウェートとサウジアラビアだけが、アル・ドーラ油田の天然資源に対し独占的権利を持っています」と付け加えた。
この主張はクウェートの立場を固め、隣接する2国間の共有所有権を強調するものである。
アル・ドーラガス田をめぐる論争は、長年にわたって続いている。3月、クウェートとイランはテヘランで共同交渉を行い、国際法に従ってこの問題を解決する必要性を強調した。
しかし、同地域での活動を固執するイランの姿勢が論争をさらに複雑化し、解決を阻む課題となっている。
アル・ドーラガス田は、アラビア湾にあるサウジアラビアとクウェートの共有水中地域である。そこは、サウジアラビア東部州の一部であるアル・ハサ行政区域内に位置している。
この油田の発見は1960年代にさかのぼり、サウジアラビアとクウェート間の海上国境の画定作業が始まった時期に一致する。
2国間で均等に分配された油田の所有権は、1970年に有効になった。
このガス田は、天然ガスを豊富に埋蔵する世界最大級のガス田である。
1日当たり10億立方フィートのガスと84,000バレルのコンデンセートを生産すると見込まれており、サウジアラビアとクウェートのガス生産に重要な役割を果たしている。
アル・ドーラ油田の戦略的重要性とこの場所が保持する潜在的な富は、周辺諸国、特にイランから注目されてきた。
その所有権と開発権をめぐって、海上境界線の解釈の違いやテヘランによる相いれない主張から論争が生じている。
イランは2001年に探査契約の締結を開始した。それを受けて、サウジアラビアとクウェートはアル・ドーラ油田を含む海上国境の境界線を最終決定した。
イランの反対をよそに、サウジアラビアとクウェートは2022年、この油田を共同で開発・探査するための合意を締結した。
数字では
この運用をめぐる論争は、アル・ドーラガス田での掘削を開始する準備ができているというイランによる6月の発表の後にエスカレートした。
イラン国営石油会社のマネージングディレクターであるモフセン・コジステ・メール氏は、イランが現場探査にかなりのリソースを配分していると表明した。
イラン国営メディアによると、メール氏は「この油田の開発計画を実施するため、イラン国営石油会社の取締役会には相当のリソースが割り当てられている」と述べた。
クウェート、サウジアラビア、イランの間では交渉や合意が試みられているものの、この議論の最終的な解決は依然として見出せていない。それは、地域内で現在も続く緊張と意見対立につながっている。
相反する主張と、アル・ドーラ油田での掘削に熱心なイランの構えが、この地域の緊張をさらに悪化させている。
事態が進展するにつれ、当事国間で相互に合意可能な解決のための外交交渉やその他の手段が用いられるかどうか、現時点では不明である。