
リヤド:サウジアラビアでの持続可能な不動産プロジェクトを強力に推し進めるため、サウジ政府系ファンドは新たな施設管理会社の立ち上げを発表した。
プレス声明によると、FMTECHとしても知られるサウジ施設管理会社(Saudi Facility Management Co.)は、公益施設管理、廃棄物管理、ハウスキーピング、警備および造園サービスなどを含む幅広い一連のサービスを提供する。
FMTECHはサウジにおける不動産プロジェクト業務の効率性向上を目指し、それが巡り巡って不動産の耐用年数向上につながる。
「またFMTECHは、施設に関連するデータを集め活用する統合デジタルプラットフォームを含む、高度な業界トップの改革にレバレッジをかける顧問サービスも提供します」とPIFは声明で述べた。
さらには、医療機関、産業施設、娯楽施設などの主要部門に貢献することで、地元経済をより良くするサービスを提供するとみられている。そして、航空施設、教育施設、住居と商業施設の複合施設、ビジネスセンターにもサービスを提供する。
「FMTECHの設立は、有望な部門への可能性を解き放ち、サウジアラビアにおける経済の多様化、持続可能性の向上、技術と部門特有の知識のローカライズを支援するというPIFの戦略に沿ったものです」とPIFは付け加えた。
PIFは世界最大級に裕福な政府系ファンドで、ビジョン2030で概要が示されたゴールを目指し、サウジアラビアによる経済多角化の取り組みの陣頭に立っている。
今月、サウジアラビアやより広い中東、北アフリカ地域におけるスポーツ部門の成長を加速させるため、PIFはSRJスポーツ投資会社(SRJ Sports Investments Co.)を立ち上げた。
7月には、サウジアラビアのラクダ酪農業のポテンシャルを最大限に解き放つため、サワニ社(Sawani Co.)という別の会社も立ち上げている。サワニ社は、サウジのラクダ牧畜業の成長を可能にし、持続可能な発展を可能にすることが期待されている。
それ以前の7月中にPIFは、地元生物製剤業界の発展の一助となる商業用医薬品開発製造受託機関リフェラ(Lifera)を立ち上げている。
今月、PIFが発行した年次レポートによると、年間で管理している資産は2022年に12.8%増加し、2.23兆SR(サウジアラビアリヤル/5950億ドル)に達したという。ファンドの2019年のAUMは1.54兆SRで、2021年には1.98兆SRだった。