• パレスチナ保健省は、アミール・アブ・カディジェ氏（25）がトルカレム市で頭を撃たれたと発表した

ラマッラー：イスラエル軍は23日、占領地ヨルダン川西岸地区で急襲作戦を行い、パレスチナ人男性を殺害した。パレスチナ当局が発表した。急増する暴力行為を抑制してさらなる急増を防ごうとしているさなかの出来事だった。

イスラエル国境警察の声明には、同警察の秘密捜査部隊が、23日朝の急襲作戦に関与したと書かれていた。その作戦の目的は、複数の銃撃事件に関与した疑いのあるパレスチナ人男性を逮捕することだった。

その部隊はその男性がいた住宅を包囲し、男性に発砲した。その前に男性が隊員らに武器を向けていた。イスラエル国境警察が発表した。

パレスチナ保健省は、アミール・アブ・カディジェ氏（25）がトルカレム市で頭を撃たれたと発表した。

イスラエルの占領に立ち向かうために結成された「トルカレム旅団」という名の新興勢力は、アブ・カディジェ氏は創設者の一人だと発表し、同氏の殺害を「暗殺」と表現した。

23日は、パレスチナ自治区ではイスラム教の断食月「ラマダン」の初日だった。

ここ数年、ラマダン期間中にイスラエル警察とパレスチナ人の衝突が時折見られている。特にエルサレムのアル・アクサモスクの敷地周辺で衝突が起きている。

イスラム教第3の聖地であるアル・アクサモスクを、ユダヤ教徒は「神殿の山」として崇めている。ラマダンは今年、ユダヤ教の「過越（すぎこし）の祭り」、キリスト教のイースターと重なっている。

19日、イスラエル高官とパレスチナ高官は、リゾート地シャルムエルシェイクで開かれた、米国、エジプト、ヨルダンの代表団が出席した会議で、暴力を鎮めると約束した。

イスラエルの占領下にあるヨルダン川西岸地区ではここ数カ月、衝突が急増している。イスラエル軍はほぼ毎日急襲作戦を行っており、ユダヤ人入植者は暴力行為をエスカレートさせている。パレスチナ人による攻撃も相次いでいる。

この1年間、イスラエル軍はヨルダン川西岸地区で、戦闘員や民間人を含む250人以上のパレスチナ人を殺害している。同じ時期に、パレスチナ人の攻撃でイスラエル人40人以上とウクライナ人3人が死亡している。

パレスチナは、1967年の戦争でイスラエルが占領した東エルサレムを首都とする独立国家を、ヨルダン川西岸地区とガザ地区に樹立することを目指している。

ロイター