リヤド:まばゆいほどのフラミンゴの大群や堂々たるジンベエザメをはじめ、畏怖を呼び起こす数々の動物たちが登場する、新作ドキュメンタリー映画『Horizon』。Konozイニシアティブがプロデュースを手掛けたこの作品は、サウジアラビアの宝である生態系やユニークな生息環境への探検に視聴者を誘う。
現在Netflixで配信中の同作品は、メディア省の政府コミュニケーションセンターと国立野生生物センターが提携して進める、王国の豊かな自然の多様性を讃える取り組みの成果のひとつだ。
サウジアラビアの手つかずの大自然と保護下にあるサンクチュアリの魅力の一端を披露することで、同作品の制作チームは、この地域の絶滅危惧種について、またかれらを絶滅から救うための地域の取り組みについて、意識啓発を目指している。
Konozイニシアティブのミッションは、国内企業と提携したドキュメンタリー、短編映画、アニメーションの制作を通じて、王国の豊かな文化を記録し、サウジ市民のサクセスストーリーに光をあてることだ。
『Horizon』の制作にあたり、Konozは世界最高峰の野生動物映像作家たちと協力し、50人からなる制作チームを立ち上げた。かれらは王国全土の28カ所で撮影をおこなった。
広大な砂漠から冷涼な山地林まで、カラフルなサンゴ礁から緑豊かなマングローブまで、サウジアラビアの変化に富む自然環境には、途方もなく多様な野生動物が生息する。ウミガメ、ジュゴン、イルカ、アイベックス、オリックス、そして地域の象徴であるアラビアヒョウは、多様性のほんの一部だ。
本作の撮影監督を務めた、エミー賞受賞歴のある英国の映像作家ギャビン・サーストン氏は、『ヒューマンプラネット』(2011年)、『植物の私生活(The Private Life of Plants)』(1995年)、『デヴィッド・アッテンボロー:地球に暮らす生命』(2020年)などの作品で知られる。
サーストン氏によれば、この種の野生動物ドキュメンタリーの制作期間はふつう4年前後だ。だが、本プロジェクトは制作チームの高い関心、潤沢な投資、傑出した才能のおかげで、およそ半分の期間で完成にこぎつけたという。
「映画の構想段階から最終的に納品するまで、おそらく約14カ月で完了したと思います」と、サーストン氏はアラブニュースに語った。
「つまり、信じられないくらい迅速だったのです。ずいぶん長い期間に聞こえるでしょうが、野生動物・自然史作品としては驚愕のスピードです。ターンアラウンドが非常に短かったのです」
サーストン氏がサウジアラビアを訪れるのは『Horizon』プロジェクトが初めてだった。自然景観の多様さに圧倒されたと、彼は語る。それまではずっと、王国にあるのは広大な砂漠くらいだと思っていたという。
「生息環境の多様性には心底驚きました」と、彼は語る。
「もちろん外国人として、砂丘がたくさんあることは予想していました。ですが、目を見張るような削り出された岩壁、涸れ川、オアシス、ヤシの木に加え、冷涼で霧が立ち込める山頂から、灼熱と乾燥の砂漠の真ん中のアブハーまで、膨大な多様性に出会えたことは望外の喜びでした」
「『Horizon』の視聴者にぜひとも覚えてほしいのは、サウジアラビアがこれほど多様な土地であるということです。サウジアラビアと聞いて人々が思い浮かべるのは、たいていステレオタイプなイメージです」
「けれども実際に足を踏み入れて、例えば南西部沿岸のマングローブを目の当たりにしたり、紅海に慣れ親しむにつれ、岩がむき出しの峡谷や涸れ川など、紅海地域の多様性を身をもって学びました」
サーストン氏は、『Horizon』に触発された外国人旅行者たちが王国を訪れ、砂漠の静寂をみずから発見することを期待している。
「この作品が人々にインスピレーションを与え、視聴者にこの地域を旅してすべてを自分で体験したいと思わせることができたらと願っています。ホスピタリティはもちろんですが、砂漠の虚無が実際にはとても素晴らしいものであることも知ってほしいのです」
「わたしが住む英国は、サウジアラビアの半分ほどの広さですが、国の人口は約7000万人に達しようとしています。英国でも人間の手が及んでいない自然のままの場所を見つけることはできるはずですが、サウジアラビアのようにな国と比べればずっと難しいでしょう」
「こうした辺鄙な土地はますます減少し、ばらばらに点在するようになっていると思います。だからこそ、わたしは人々にこうした土地を訪れ、静けさと平和に浸ってほしいのです」