
東京:日本の全国高校サッカー大会は100年以上の歴史を持ち、プロクラブが若い才能を誘う中、大観衆と何百万人ものテレビ観衆を集め、未来のスターを育てている。
年に一度のこの大会は土曜日に開幕し、今でもアマチュアサッカーの最高峰とみなされており、若い選手たちは東京の国立競技場で何万人もの観客の前で決勝戦をプレーすることを夢見ている。
応援団が旗を振り、太鼓を叩き、歓声を上げながらチームを応援する。
「どのチームも技術的には同じようなレベルなので、誰が一番勝ちたいかが重要なんです」と、流通経済大学付属柏高校の応援団長である18歳の福田純平さんはAFPに語った。
「自分たちの声を一番大きくしたいんだ」
若い選手がプロのクラブアカデミーに引き抜かれるヨーロッパとは異なり、日本の高校サッカーは依然としてエリートの才能を惹きつけている。
セルティックの前田大然や旗手怜央、クリスタル・パレスの鎌田大地など、現在の日本代表のスター選手たちは皆、高校サッカーを経験している。
ただ、近年、高校サッカーに背を向け、Jリーグのユースチームに入団する若手トッププレーヤーが増え、状況は変わり始めている。
その結果、学校対抗戦の質は低下してしまったが、その魅力は多くの人々に受け継がれている。
来年、Jリーグの湘南ベルマーレでプロになる流通経済大柏のMF松本果成は、この大会を「小さい頃から憧れていた舞台」と語った。
「この学校に来た一番の理由は、ここでなら全国高校大会でプレーできると思ったからです」と17歳は言った。
全国高校大会は、1993年にJリーグによってプロサッカーが日本にやってくるずっと前の1917年に初めて開催された。
全国47都道府県のチームと東京都の2チームが、18日間にわたってノックアウト方式で競い合い、首都圏とその周辺で試合が行なわれる。
全試合は地元でテレビ放映され、準決勝と決勝は全国の視聴者に向けて放送され、数百万人が視聴する。
昨シーズンの東京での決勝戦は5万5千人のファンの前で行われ、Jリーグの観客動員数を余裕で上回った。
高校野球やラグビーの大会も人気があり、サッカージャーナリストの土屋雅史氏は、学校スポーツが日本の心を打つからだと語った。
「私は群馬県出身で、自分の出身高校のチームでなくても、群馬のチームをいつも応援しています」と彼は言う。
「地元の誇りや古巣とのつながりを大切にする大会なのです」
この大会に出場するすべての選手が、トップレベルでのプレーを志しているわけではない。
大学だけでプレーする選手もいれば、高校卒業後にこのスポーツを諦める選手もいる。
流通経済大柏の榎本 雅大監督は、この大会はチームとしての3年間を終えての転換期だと語った。
「何かに一生懸命に取り組んできた子供たちが大人になる場所です」と彼は言った。
テレビ中継では、ピッチ上の出来事だけでなく、選手たちの裏話を掘り下げ、感情的な絆を演出し、敗れたチームが涙を流すシーンを取り上げる。
「日本人はサッカーの質よりも、そういうドラマが好きなんです」と榎本は言う。
Jリーグのユースチームは、プロへの近道と見なされつつある。
全国にある高円宮杯U-18プレミアリーグでは、高校とJリーグのユースチームがほぼ互角に戦い、大洲高校が今年のチャンピオンに輝いた。
土屋は、高校サッカーをトップへの足がかりとしてだけ考えるべきではないと言う。
「そう、サッカーの質や選手の質のために見るのもいい」
「でも、子供たちが毎試合、勝つために全力を尽くしている姿を楽しむこともできます」
AFP