
東京:彼は黒いボディスーツと白いマスクを身につけ、電子的に変化させたキーキー声で話し、不気味さをその芸術の特徴としている。
「雨の穴」という直訳で、彼が大好きな言葉であるという 「雨穴(ウケツ) 」は、日本で最も新しいユーチューバーであり、ミリオンセラーのミステリー作家でもある。
そして、彼は世界を舞台に活躍しようとしている。
木曜日に東京で行われた記者会見で、彼は「みんなを不安にさせる」ことが彼の成功の理由だと語った。
彼のデビュー作『変な絵』は、今週アメリカでの英語版を含む30カ国で発売される。出版社によれば、この本は世界で150万部売れているという。
UKETSUのストーリーテリングは、画像や図と文章を組み合わせ、読者を恐ろしいパズルの中に引き込み、少しずつ解かせる。絵は、ぞっとするような陰惨な出来事の謎解きの手がかりとなる。
それが、文学よりも漫画やビデオゲーム、ソーシャルネットワークに慣れ親しんだ若い世代の共感を呼んだのだろう。ハロウィーンに彼の仮装をした子供たちもいる。
日本の偉大なミステリー作家、江戸川乱歩にインスパイアされたというUKETSUは、読書が好きでない人たちにも自分の作品に親しんでもらいたいだけだと語った。
彼は、読書が好きな人たちにも作品を読んでもらいたいだけなのだ。ユーチューブのチャンネル登録者数は170万人で、再生回数は1億9000万回を超える。
ユーチューブで最初にヒットした「奇妙な家」は、監獄のような部屋を含む奇妙な間取りの家を題材にした作品だ。この作品は昨年映画化され、日本の興行収入は50億円(3200万ドル)を超えた。
「私の話は本当に怖いんです」とUKETSUは言い、その奇妙な外見とは裏腹に、おっとりとした真面目な口調で語った。
マスクの奥はごく普通の人間だという。仮面を取れば、誰も彼に気づかないだろう。
しかし、彼は本に自分の姿を加えることが本の売り上げに貢献していることを認め、それをギミックと断じることはしなかった。
UKETSUの作品を出版している双葉社の渡辺拓滋副社長によれば、UKETSUは次の本を執筆中で、歌も発表しているという。
渡辺氏は、UKETSU氏がいくら稼いだかは明かさないが、彼はジャパニーズ・ホラーの「100年に一度のスター」だと断言する。
AP