

パリ:パリに派遣された大相撲の2人の大使が、伝統的な和服姿で観光名所を巡っていると、注目の的になった。
身長193cm(6フィート4インチ)の塚原 隆明(四股名「栃大海 」)と、177cmの鈴木 英樹(「栃幸大」)は、着物と草履を身に着け、髪に油を塗って髷を結い、観光に出かけると人目を引いた。
「栃大海」は、他の観光客同様、ルーブル美術館のピラミッドを指先でつかむようなポーズを取って写真を撮った。一方、他の観光客は、彼を記念碑として一緒に自撮り写真を撮るのに熱心だった。
「パリは建物が素晴らしい。驚いている」と、25歳の「栃大海」はAFPに語った。
「栃大海」は、自身のスポーツとしては珍しい海外進出を宣伝するために、初めて日本国外を訪れた。
1980年代と1990年代には海外でのトーナメントは一般的だったが、2005年のラスベガスへの遠征以来、海外でのプロのイベントは開催されていない。
2人の力士は、2026年6月に開催される2024年オリンピックの体操競技とバスケットボール決勝の会場となるベルシーアリーナでのトーナメント発表のためにパリを訪れていた。
同国では3回目の大相撲大会となる。
1986年の第1回大会を機に、当時のパリ市長ジャック・シラク氏は大相撲のファンになった。1995年の第2回大会の時には、シラク氏はフランス大統領に選出されていた。
寒い曇りの2月の午後、栃大海と栃幸大は、霧に包まれたエッフェル塔、ルーブル美術館、凱旋門、トロカデロ、市庁舎などを訪れ、名所や通りすがりの人々と一緒に写真を撮った。
「正直に言って、それらを見た瞬間、シラク前大統領を思い出しました。彼が愛し、情熱を傾けていた場所だからです。ここに来られて嬉しい。とても幸せです」と、51歳のトラック運転手、ハマド・ベタイエブ氏は言う。
2人の成績が良ければ、来年も来られる可能性がある。
栃幸大は、巡業が好きだと語る。
「東京ではそうでもないですが、地方に行くと、人々は喜んでくれるし、尊敬の念もあります」と彼は言う。
栃幸大は、夢を生きていると語った。
「私たちは、日本において神聖で、日本人にとって大切なものを体現していると思います」と彼は語った。
「私は学校ではあまり優秀ではなく、勉強する自分自身を想像できませんでした」
「だから、自分の体で生計を立てるつもりだと自分に言い聞かせました。この道を選ぶのは、私にとってごく自然なことでした」
AFP