アラブニュース
サウジアラビアは、イエメン沖に係留された石油タンカー「セイファー」号が投げかける脅威に立ち向かうため、1000万ドルの拠出を申し出たと、同国の政府系人道支援組織であるKsreliefが12日に発表した。
サウジアラビアはこれまでも、同石油タンカーが経済、人道、環境に及ぼし得る脅威への対処・回避を試みる国連の取り組みを常に支援してきたとKsreliefは述べた。
石油が流出すれば、紅海沿岸、漁業社会、国際航海や、イエメンへの食料、燃料、救命物資の調達などが脅かされ、環境や航海に支障をきたす大災害となる恐れがあると同組織は警告する。
そうなれば、人道的状況が深刻化し、紅海に接する諸国には脅威となるだろうという。
サウジアラビアは、100万バレル以上を積載したまま2015年からメンテナンスが施されていないセイファー号から石油の流出があれば、結果として世界は、海洋生物、漁場、生物多様性を脅かす最大の環境破壊を目撃することになるだろうと警告してきた。
老朽化しつつある同タンカーは、推定で計114万バレルほどの石油が貯蔵されており、浮体式貯蔵設備として転用された後、イエメンの内戦で6年間、錆びるままに放置されていた。
Ksreliefの声明によると、6月8日の国連「世界海洋デー」を記念して、海を保護するための一致団結した行動を起こす必要性が強調されたのだという。
「食料の主要な調達先である海洋は、気候変動に直面する我々にとって最大の味方であり、サウジアラビアは、最重要な海洋資源や生態系を保護する枠組みの中で、この点に関する国際的な展開を追っている」と声明は述べている。
Ksreliefによると、国際社会は、セイファー号の救助計画を援助し、潜在的な危険が除去できる適切な計画について考察する国連の取り組みを支援するために、複数の会議や議論を開いてきたという。
サウジアラビアはまた、国連に対し、石油の流出を防ぎ、タンカーを安全な場所に移動させるための必要な措置を取るよう要請した。