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老朽化したイエメンのタンカーから100万バレルの石油回収、「時限爆弾」の状況を脱する

ホダイダ沖の紅海で、国連のノーティカ号がイエメン船籍のFSOセイファー号のそばに係留し、壊滅的な原油流出の危機を回避するため、朽ち果てたタンカーから100万バレル以上の石油を汲み上げた。(ファイル/AFP)
ホダイダ沖の紅海で、国連のノーティカ号がイエメン船籍のFSOセイファー号のそばに係留し、壊滅的な原油流出の危機を回避するため、朽ち果てたタンカーから100万バレル以上の石油を汲み上げた。(ファイル/AFP)
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12 Aug 2023 02:08:17 GMT9
12 Aug 2023 02:08:17 GMT9
  • 国連の活動により、当面の環境破壊の危機は回避されたものの、船舶の洗浄と解体という第2段階の作業を行う必要がある
  • 国連開発計画総裁は、アラブのニュースに対し、対立する双方が問題解決のために一致団結したという事実が、より広範な問題についての話し合いの礎になることを期待すると語った

エファレム・ コッセイフィ

ニューヨーク:2023年8月11日金曜、国連は、イエメン沖で何年もの間、停泊し老朽し、「時限爆弾」と呼ばれてきたタンカー、セイファー号から、100万バレルを超える石油をサルベージ船へ移送することに成功したことを受け、紅海に大量の石油が流出するといった差し迫った危険は回避されたと発表した。

国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏は「環境、人道上の大惨事を回避した」として、今回の作業の完了を歓迎した。

国連開発計画総裁のアヒム・シュタイナー氏は、「数年で最も偉大な予防措置である」と述べた。

さらに「このFSO(浮体式生産貯蔵積出設備)セイファー号を時限爆弾と呼ぶ人もいる。今日現在、その時限爆弾は当面の脅威ではなくなっていると言って良いと思う」と述べた。

石油はほとんど除去されたが、船内にはまだ少量の粘性油が残っており、タンカーはまだ分解する危険性があるため、作業はまだ完了していないと関係者は述べた。

国連イエメン常駐人道調整官のデイビット・グレスリー氏は「セイファー号の残留油は土砂と混ざり合っており、現時点ではポンプで汲み上げることができない。セイファー号の最終的な清掃の際に除去される予定だ」と述べた。

また、作業の最終段階となる第2段階では、セイファー号の除去、洗浄を行い、レッカー移動と解体の準備を行うが、完了までには1週間から10日ほどかかる見込みだと付け加えた。

セイファー号は、イエメンで内戦が勃発して以来、フダイダ港近くのイエメン沖の紅海に8年以上係留されていた。その間、維持管理はほとんどされておらず大規模な石油流出の恐れが高まっていた。

国連によると、セイファー号は114万バレル以上の原油を積載しており、これは1989年にアラスカ沖で起きたエクソンバルディーズ号原油流出事故(世界最悪の環境破壊のひとつ)で流出した原油の4倍に相当する。

国連加盟国23カ国、EU、民間企業、一般市民から寄せられたセイファー号のサルベージ作業に対する寄付金は1億2100万ドルを超えたが、作業完了までにはさらに2000万ドルが必要である。

グレスリー氏は「我々は国連がサヌア当局、特に、現在ホダイダに拠点を置くSafer Technical Committeeを通じて受けた協力について評価すべきである。協力のおかげで、作業を遂行するためのアクセス、安全性、技術的サポートを確保することができた。」と述べた。

さらに、国連はまた「イエメン政府から、重要な政治的、技術的サポートを受けた。これは過小評価できない。イエメン政府は地球環境ファシリティに500万ドルを拠出し、このプロジェクトに対する寄付者のトップ10に入る」と付け加えた。

グレスリー氏はまた、セイファー号に乗船していた船長2人が、このプロジェクトに参加するためにアデンから招かれたことに焦点を当て「イエメンで続く内戦に存在する日常的な懸念を超えることの重要性の表れ」と表現した。

グレスリー氏によれば、この成果は国際社会だけでなく、イエメンの人々にも希望を呼び起こしたという。敵対する者同士がこの重大な問題を協力して対処することで、より広範な協力と和平交渉の礎を築くことができるかもしれないと期待感を示した。

サルベージ作業の成功は最も困難な状況においても協力を促す、外交、忍耐、そして透明性の力を証明するものであると同氏は付け加えた。

グレスリー氏はアラブニュースの取材に対し「良い金曜日になった。今日の成功はとても気分が良い。このように何かが前進するのを見るのは良いこと。より大きな政治的な対話という点では、もちろん直接的には貢献しないだろう。しかし、前進する方法があるのだという希望を人々に少しは与えることができただろう。」

「当事者は敵対関係にあるが、この問題に対処するために必要な時間、意見の相違の問題を脇に置く方法を見つけた。そうすることで、交渉により良い条件が整うのだと思う。」

「また、昨年3月に(覚書が)結ばれ、今のところサヌア側が順守しているという事実は、このような状況でも交渉が成功するという良い兆候だと思う。」

「だからといって、今後の前進が保証されるわけではないが、以前にはなかったような希望が生まれると思う。そして、そうすることができる立場にある人たちが、この機運を利用して前進することを願っている。」

シュタイナー氏も同様に、世界がかつて経験したことのないような壊滅的な人的危機と闘っているイエメンの状況をより広い意味でとらえれば、セイファー号のプロジェクトの成功は「希望の片鱗」であり、特にこの地域とイエメン国内の力学がより大きく変化するなかでの成功である、と述べた。

同氏は、アラブニュースに対し「UNDPはイエメンのほぼ全域で活動しているが、この8年間でイエメンは20年から22年の発展を失ったとみている。この作戦が実施されなければならなかった背景は、非常特別なものだったと思う。」

「しかし、少なくとも推測できるのは、この紛争の両陣営が互いに信頼関係を欠き、また、国際社会に対して非常に懐疑的でさえあるにもかかわらず、最終的には国民からの非常に強い支持のもとに、これはすべての国民にとって有益な作戦であり、それゆえに例外的で特別な措置が必要なのだということを自分たちの中に見出すことができたということだ。」

「そして、ここまでの経緯は、今後数カ月で、さらに大きなことを達成できると信じている人々に希望を与えるかもしれない。」

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