
東京:東京の羽田空港では、木曜日に到着した大谷翔平選手を一目見ようと、数百人のファンが10列も並んでいたが、ロサンゼルス・ドジャースのスーパースターの姿は見えなかった。
彼らが見たのは、選手が到着ロビーを通ってくるのを防ぐための、長さ40メートル(130フィート)の仮設の白い壁だった。シカゴ・カブスが水曜深夜に到着したときは、この方法で退場した。
ドジャースがフェニックスからのチャーター便から降り立つのが駐機場で目撃され、大谷は最初に降りた選手の一人だった。しかし、選手たちは到着ロビーを使わず、どうやら逃げ道を確保していたようだ。
大谷とドジャースを次に見るチャンスは、金曜日に東京ドームで練習が始まるときだろう。
MLB開幕2連戦は火曜日と水曜日の夕方から東京で行われる。北米では同日早朝に試合が中継される。日本はアメリカ東海岸より13時間早い。
大谷が現れるかもしれないと、ファンはターミナル内で何時間も待った。多くの人が歓迎のサインを持っていた。鮮やかな黄色のボードにはこう書かれていた: 「私はLAが大好き」また、ドジャースのキャップやシャツなどを身につけた人もいた。
興奮したファンは、大谷が到着したと思い、スマートフォンを高々と掲げた。だが他の便の乗客が視界に入ってきただけで、いつも誤報だった。
忍耐強く礼儀正しいファンたちは、日本で最も有名な人物が現れないことが明らかになると、やがてその場を後にした。
ほとんどのファンは希望を抱いていたが、現実的だった。
「彼に会えるかもしれないと思って来たんです。でも、たぶん会えないと思った」と地元の会計士、吉井聡さんは言った。
植田美咲さんは夫の黎士さんと友人の高橋竜聖さんと一緒に来た。二人は大谷の17番ドジャースのジャージを着ていた。
「同じ空気を吸いに来たんです」と美咲さんは言った。「大谷の空気を」
また、ロックコンサートのようにイベントを楽しみに来た人もいた。
「大谷のファンじゃないから、見れなくても気にしない」と都田琴美さんは言った。その横に並んでいたのは、同じく都田琴美の友人、中津琴美さんだった。
「ファンではないけど、大谷選手を見てみたい」と中津さんは言った。
MLBは「日本シリーズ」と銘打たれて、マーケティング・大谷・イン・ジャパン・シリーズとも言える。大谷はおそらくこの国で最も有名な国民であり、MLBで最も市場価値のある資産である。
MLBがアジアで開幕するのはこれで2シーズン連続となる。昨年は、大谷の通訳をめぐる賭博スキャンダルが発覚した韓国でのドジャース対サンディエゴ・パドレスだった。
カブス対ドジャース
両チームは5人の日本人選手とともに東京にやってくる。ドジャースには大谷と山本由伸投手、佐々木朗希投手がいる。カブスはDH鈴木誠也と投手の今永昇太がいる。
今永と山本は火曜日の初戦で対戦する見込みだ。
アメリカのチームは土曜日と日曜日の2試合、読売ジャイアンツと阪神タイガースと対戦する。
日本でのドジャース・マーケティング
MLBのチーフ・オペレーションズ・オフィサーであるクリス・マリナック氏は、AP通信のインタビューで、大谷のような選手がいることの利点について語った。
「大谷のような世代を超えた才能を持つ選手、つまり基本的に野球界最高の選手を、異なるマーケットから迎えることは助けになる」とマリナック氏は語った。「大谷は最高の選手である」
難しいことではない。日本はドジャースをナショナルチームとして採用している。以前から強いつながりがあったが、大谷がドジャースでワールドシリーズを制覇して以来、今はロック・ソイルドだ。
ドジャースは東京都心で 「ドジャーズ・エクスペリエンス・アット・MLB東京シリーズ 」というエキシビションを開催している。ファンはワールドシリーズのトロフィーやワールドシリーズの優勝リングを見ることができる。
また、1958年のシーズン開幕にチームがロサンゼルスに移転する前のブルックリンにさかのぼる、ドジャースの豊かな歴史を見るチャンスもある。また、ファンが大谷選手の投球に挑戦できるインタラクティブな体験もある。
日本人アーティストの村上隆氏も、このシリーズのアートワークをデザインしている。彼の作品もシリーズ中に展示される予定だ。
安いチケットではない
転売サイトでは、1試合のチケットが2万ドル(約220万円)とも言われている。多くの転売チケットは2,000ドルから8,000ドルの範囲だ。
額面以上の価格でチケットを転売することは、日本では厳密には違法である。政府は、パンデミックによって2021年まで延期された2020年オリンピックの前に、このルールを承認した。
AP