
ラスベガス:木曜日、ボクシングのジュニア・フェザー級4大メジャータイトルのベルトがすべて試合会場に並んだが、ラモン・カルデナスは「まだ僕のものじゃないから」と見向きもしなかった。
彼は井上尚弥からベルトを奪うことを望んでいる。
「モンスター 」のニックネームを持つ日本のセンセーションは、ラスベガスでの復帰戦で絶大な人気を誇る。2020年と2021年、COVID-19が大流行した時期に2度戦って以来の復帰戦となる。
どちらもT-モバイル・アリーナのようにはいかない。日曜日の夜、32歳の井上(29勝26KO)はサンアントニオ出身の29歳、26勝1KO14敗のカルデナスと対戦する。
コ・メインイベントもタイトルマッチだ。WBOフェザー級王者ラファエル・エスピノサ(26勝22KO=メキシコ)がエドワード・バスケス(17勝2KO4敗=テキサス州フォートワース)と対戦する。
井上はBetMGM Sportsbookで-10000の1番人気に支持されており、-900で試合は早々に終了するが、東京ドームのようなホームの観衆の恩恵がないことも承知している。井上はまた、カネロ・アルバレスのような観客に人気のある選手ではなく、シンコ・デ・マヨの週末に戦うことになる。
井上は通訳を介して、この試合を 「アウェーゲーム 」と呼び、観客について何を期待していいのかわからないと語った。
「アメリカのファンに自分のボクシングを見せ、ノックアウトで勝つのが理想だ。でも何よりも、日本で生で見ることができなかったものをみんなに見てもらいたい」
彼は母国で伝説的な地位を築き、4階級制覇と2階級で文句なしのチャンピオンになった。
アメリカへの復帰戦は、井上にとって新たなファン層に自分を紹介するチャンスであり、ペイ・パー・ビューではなくESPNで試合が行われることは、井上がより多くの視聴者にリーチするのに役立つだろう。米国のファンにとっては、その大げさな宣伝文句が何なのかを知るチャンスとなる。印象的なパフォーマンスを見せれば、同胞である大谷翔平と同じレベルの名声をこの国で得ることはできないだろうが、スタートにはなるだろう。
また、カルデナスにとっても大きなチャンスであり、逆転勝利が彼のキャリアにとってどんな意味を持つかを知っている。2007年にラスベガスでフロイド・メイウェザーJr.がオスカー・デ・ラ・ホーヤをスプリット判定で下して以来、カルデナスは世界の戦いの都で試合をしたいと思ってきた。
そして今、彼にそのチャンスが巡ってきた。しかもメインイベントでだ。
「世界タイトルをかけて戦うのもひとつのことだが、無差別級を賭けて戦うというのは、僕が望んだ以上のことだ。ハングリーになった。もっと欲しくなる」
井上へのリスペクトを口にしたカルデナスだが、だからといって対戦相手のパンチバッグになるつもりはない。
「私は小切手を受け取るためにここに来たわけではないし、それが私を危険な存在にしている」とカルデナスは語った。「もし小切手を受け取るためにここに来たのなら、私は来てはいない」
AP