
広島:7歳の頃から、日本の小学生、佐々木俊君は、広島平和記念公園を訪れる外国人観光客に無料のガイドツアーを提供している。その使命は、核戦争の恐怖が時とともに人々の記憶から消え去らないようにすることだ。
現在12歳の俊君は、約2,000人の訪問者にそのメッセージを伝え、不完全ながらも自信に満ちた英語で、原爆を生き延びた曾祖母の体験を語っている。
「広島に来て、1945年8月6日に広島で何が起こったのかを知ってほしい」と、俊君は英語で語った。
「戦争の恐ろしさ、平和の大切さを知ってほしい。戦う代わりに、お互いの良いところについて話し合うべきだ」と彼は続けた。
彼は、月に2回ほど、背中に「英語で話しかけてください!」と書かれた黄色いエプロンを着て平和記念公園を訪れ、観光客に故郷について説明している。
そのボランティア活動が評価され、俊君は、原爆投下から80年を記念する今年の式典で、地元の子ども2人の一人としてスピーチを行う栄誉に選ばれた。
俊君は、曾祖母である佐々木百合子さんが、爆心地から約1.5km(0.9マイル)離れた自宅で爆風で崩れた瓦礫の下に埋もれた時の年齢と同じだ。彼女は2002年に69歳で結腸がんにより死去したが、数十年前には乳がんを克服していた。
ウラン爆弾は瞬時に約7万8,000人を即死させ、1945年末までに放射能被曝を含む死者は約14万人に達した。米国は8月9日に長崎に2発目の原子爆弾を投下した。
カナダのクリス・ロー氏は、俊君のガイドツアーが博物館の壁のプレートを読むだけでは得られない理解の深さを提供したと述べた。
「彼の家族について聞いたことは…全てをまとめ、現実のものとし、より個人的なものにした。彼がそれを共有してくれたことは素晴らしいことだった」と彼は語った。
俊君は、できる限りガイドツアーを続けるつもりだと述べた。
「最も危険なのは、昔起こったことを忘れること…だから、僕たちはこの物語を次の世代に伝え、決して忘れないようにすべきだと思う」と彼は語った。
ロイター