
Clareto Monsorate
東京オリンピックの開催まで100日を切った。開催日に向けて、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会による準備が本格化している。
新型コロナウイルスの感染拡大により、大会の中止を求める声が上がる一方で、東北地方太平洋沖地震により被災した70人の工芸家が2011年の地震の際に同地域に支援の手を差しのべた国々と国際機関に感謝の意を込めて自作のメダルを贈呈する準備を進めている。
工芸家たちは、メダルを贈呈することで、同地域の新しい物作りのメッセージを発信する機会になることを願っている。
このアイデアは、2018年にフランスの陶芸家ブルーノ・ピーフル氏の一言が発端となった。山形県大石田町で創作活動を続ける63歳の同氏は、「オリンピックで来日する選手に工芸家たちで作ったメダルを贈りたい」と語った。
ピーフル氏は、金、銀、銅のメダルに届かない選手にも、独自のメダルを渡したいと考えている。
メダルの直径は9センチ、厚さは最大2センチ。完成品は10センチ四方の桐箱に入れて、支援各国に2〜3個贈られる。東北6県から工芸家、アーティスト、デザイナーを含む計70名がプロジェクトに参加した。
メダルの素材は陶、ガラス、木、金属、和紙と多様で、2020年11月までに個性あふれる61個のメダルが2個ずつ完成した。
贈呈先は、青森県から福島県まで17の被災地に救援チームを派遣した韓国、シンガポール、ドイツ、米国、トルコなど20カ国以上の在日大使館。
また、国際原子力機関(IAEA)、国際連合食糧農業機関(FAO)などの、震災後に専門家を派遣した国際機関も含まれている。