ワシントンD.C.:ジョー・バイデン米大統領は27日、イスラエルのナフタリ・ベネット首相とホワイトハウスで会談し、イランの核開発抑制に向け「外交を第一に」考えるが、交渉が決裂すれば他の何らかの選択肢を取る用意があると述べた。
記者たちが大統領執務室から退出する前に、両首脳はバイデン政権とイスラエルの間の最も懸念の一つであるイランについて手短に触れたが、意見の不一致はほぼ明らかにされなかった。
バイデン氏は、同氏とベネット氏は「イランの脅威およびイランに核兵器を断じて開発させないようにするための我々のコミットメント」について協議したと述べた。
「外交を第一に考え、その結果を見極めたい。ただ、外交が失敗すれば、他の選択肢に目を向ける用意がある」とバイデン氏は付け加えたが、詳細は語らなかった。
米国が混沌としたアフガニスタンから退避する中、カブールで自爆テロが起きたため、首脳会談は1日延期された。バイデン氏とベネット氏は、米イスラエル関係をリセットし、イランの核開発への対応の仕方に関する意見の相違を調整するため、初会談を行った。
しかし、バイデン氏とベネット氏が今年就任して以来初めて行われた今回の会談は、26日にカブール空港の外で発生した自爆テロにより、重要性が低くなった。このテロで米兵13人を含む少なくとも92人が死亡した。バイデン氏は大統領任期初期の最悪の危機に直面することになった。
バイデン氏は、ベネット氏との1対1の会談の後、記者団に対し、「アフガニスタンでの任務は……危険であり、今では相当数の米兵の損失を伴うものだが、価値のある任務だ」と語った。
新たなタリバンの統治から逃れようと必死になっているアフガニスタン人の退避を支援している米軍は、さらなる攻撃に備えて警戒態勢を敷いている。
ベネット氏は極右の政治家であり、12年連続で首相を務めたベンヤミン・ネタニヤフ氏を6月に退陣させた。ベネット氏はバイデン氏に、イランへの姿勢を強化し、トランプ氏が破棄したイランとの国際的な核合意の再建を目指す交渉から手を引くよう求めるとみられていた。
米政府がイランの強硬派の新大統領の次の動きを待っているため、米国とイランの交渉は行き詰まっている。
ベネット氏はバイデン氏に「イランは決して核兵器を取得することはできない。いうバイデン大統領の明確な発言を聞けてうれしく思う。外交的手段を試すが、うまく行かなければ他の選択肢があることを強調した」と語ったが、その可能性を特定することは避けた。
ベネット氏は、ネタニヤフ氏と同じくらい頑強に、イランが核兵器を製造するのを阻止するために必要なことは何でもすると主張している。イランは一貫して核兵器の取得は目指していないと言っている。
ベネット氏はホワイトハウスで記者団に対し、イスラエルはイランを核兵器の製造から遠ざけ、「地域的な侵略」を阻止するために「包括的な戦略」を策定したと話した。
ロイター