
アラブニュース
ドバイ:国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の設立70周年を記念し、シリア系パレスチナ人の漫画家、ハニ・アッバス氏が7枚の絵画を創作した。絵画は、アフガニスタンを支援する資金を集めるデジタルアセットとして販売される。
アッバス氏はシリアの首都・ダマスカスの南部にあるパレスチナ難民キャンプ・ヤルムークで生まれ育った。
氏の作品が取り組むテーマは、不正や喪失、紛争における人間の犠牲といったものだ。そして現在、アッバス氏はUNHCRと協力し、同事務所初の、資金集めのための非代替性トークン(NFT)の販売を開始した。
7枚の漫画の複製が唯一のデジタルアセットに変換され、オープンシー(OpenSea)のオンライン市場で販売されている。UNHCRによるアフガニスタンの危機対応のための資金集めを目的としており、販売は11月4日に開始された。
7枚の絵画は『窓』というシリーズの一部であり、アッバス氏はこの件についてUNHCRの編集チームに語った。
「私の心の中にある窓とは、何を意味するのでしょうか。それは国を見、人々と会うための私たちの窓です。彼らとつながり、彼らの話を聞くための窓なのです。2011年、4ヶ月間続いた紛争の後で、私は最初の『窓』を描きました。破壊された建物に残っていた1枚の無事な窓、その外で1人の若い男性が1本の花を手に持ち、逝ってしまった愛する人と会うのを待っている。これは、私たちが失くしたものを表しています。私は、全てのものを置いて、しかし窓だけを携えて去っていった人の姿も描きました。窓は彼らの記憶だからです。私はそれらの絵画に対して私自身の考えと感情を持っていますが、その絵画を見る全ての人が、戦争が人間に与える影響を感じとることを願っています」。アッバス氏はそのように語った。