• イエメンはここ半年、過去8年で最長の戦闘・暴力行為の停止を経験した。その結果、民間人の死者数が大幅に減少した。

サイード・アル・バタティ

アル・ムッカラー：イエメンの国際的に承認された政府は、国連が仲介した停戦協定の下、全ての義務を履行し、停戦延長と内戦終結への道を開くために「大幅な」譲歩をした、とイエメンの外相は5日、述べた。

アハメド・アワド・ビン・ムバラク外相はモロッコの首都ラバトで記者団に対し、フーシ派は停戦を延長しようとする努力を阻止するために多くの制限や条件を課してきたと話した。

イランの支援を受けるフーシ派は停戦中、ホデイダ港に入港した燃料運搬船の売り上げで数百万ドルを稼いだにもかかわらず、フーシ派支配地域の公務員への給与支払いを拒否している、と同氏は付け加えた。

「我々は停戦協定の全てを実行し、大幅な譲歩をした。フーシ派は協議の全ての段階で新たに道路を封鎖した」とムバラク外相は述べた。そしてフーシ派の大砲や、爆発物を仕掛けた無人機、狙撃兵、地雷により、停戦中に政府軍の兵士・将校1400人、民間人94人が死傷したことを同氏は指摘した。

2018年に国連が仲介したストックホルム合意に従い、フーシ派がホデイダ港から得た収益を中央銀行に預けた場合のみ、イエメン政府はフーシ派支配地域の公務員に給与を支払うだろう、とムバラク外相は述べた。

「フーシ派は停戦前に450億イエメン・リアル（1800万ドル）以上を略奪した上、ストックホルム合意締結以降、公務員給与を1リアルも支払っていない」

同氏は、イランがフーシ派を利用して拡張主義的目標を推し進めていると非難し、石油などのイエメンの資源を乗っ取ろうとするイランの企てに対抗すると明言した。

「フーシ派は、この地域でイランの拡張主義的なアジェンダを実行するために戦争を行った」と同氏は述べた。「我々は憲法上の権利を行使し、国と国民を守る。イランにイエメンの石油資源を支配させはしない」

今週、イランの支援を受けるフーシ派が停戦の延長を拒否し、イエメンから輸出される石油を政府支配地域から輸送する燃料運搬船を標的にすると脅迫したため、イエメン内戦の終結を目指す国際社会の取り組みは大きな打撃を受けた。

フーシ派は、タイズを出入りするのに使う主要道路を少なくとも1本開放してタイズの包囲を部分的に緩和するという提案を拒否し、ハンス・グルンドベルグ国連イエメン担当特使に対し、イエメン政府がフーシ派支配地域の公務員に給与を支払った場合にのみ停戦延長に合意するだろうと述べた。

イエメンはここ半年、過去8年で最長の戦闘・暴力行為の停止を経験した。その結果、民間人の死者数が大幅に減少した。

停戦が4月2日に発効し、2度延長されたことによって、数千人の乗客がサヌア空港から飛べるようになった。そして50隻以上の燃料運搬船がホデイダ港に入港し、フーシ派支配地域の深刻な燃料不足が解消された。

同じように駐イエメンEU代表部は、フーシ派の「最大限の要求」が停戦延長に向けた国際的努力を台無しにしていると非難するとともに、交戦中の両派、特にフーシ派に対し、グルンドベルグ氏と協力し緊張を緩和するよう求めている。

「我々は、特にフーシ派に対し、要求を和らげ、国連のグルンドベルグ特使と積極的に関わり合うよう求めている。停戦を継続し、有効な停戦に発展させ、イエメンの和平につながる包括的プロセスへの道を開くためだ」とEU代表部は声明で発表した。