• ファッション界の大物が、国際宇宙ステーションへの旅に大金を投じたことを疑問視する人々からの批判を退ける

モスクワ:  日本出身の宇宙旅行者は月曜日、国際宇宙ステーションへの旅に大金を支払ったことを疑問視する人々からの批判を退け、「素晴らしい」経験には価値があると語った。

また大富豪の前澤友作氏は、宇宙ステーションからAP通信のライブインタビューに応じ、飛行前にミッションの内容を想像していたにもかかわらず、宇宙旅行の現実に驚愕したと語っている。

「宇宙にいると、このような素晴らしい経験をすることにどれだけの価値があるかを実感します。そして、この素晴らしい経験が何かにつながると信じています」と、AP通信に到着後初のテレビインタビューで語った。

前澤氏 (46歳) とプロデューサーの平野陽三氏 (36歳) は、2009年以来、自費で宇宙ステーションを訪れた初めての観光客である。12日間のミッションに8,000万ドル以上を支払ったとの報道について聞かれた前澤氏は、契約金額は明かせないが、「ほぼ」その金額を支払ったことを認めた。

「批判する人は、宇宙に行ったことがない人なのかもしれない」と、地球上の人々のために大金を使わず、宇宙旅行に資産を使うことに疑問を持った人たちからの批判をかわした。

また前澤氏は「ドッキング直前にソユーズから国際宇宙ステーションを見たときと、ドッキング後に宇宙ステーションに入ったときが一番印象に残っています」と語っている。

また宇宙旅行は現在、ほとんどが超富裕層のためのものであることを認めた上で、宇宙旅行に乗り出す人は、他の課題にも備えなければならないと付け加えた。

「確かに宇宙旅行はまだまだ高価ですが、お金だけの問題ではありません」とAP通信に語っている。また「宇宙環境では体が慣れるまでに時間がかかりますし、緊急時の訓練も最低でも数ヶ月はかかります。ですから、正直なところ、時間と体力のある人、そして余裕のある人にしか手が届かないのです。しかし、10年後、20年後もそうであるかどうかはわかりません」と付け加えた。

前澤氏はAP通信に対し、「少し乗り物酔いを感じた」「少し眠れなかった」と語り、今後の宇宙旅行者は、宇宙での乗り物酔いに適応するために、最大5日間の滞在が必要であることを認識する必要があると述べた。

また仮眠を取ることはまだ難しいと認めている。

さらに前澤氏は、「正直なところ、よく眠れていません。寝袋は用意されているが、暑すぎて使っていません」と語った。

しかし今回の旅の長さには満足しており、「12日間というのは、私にとってちょうどいい長さでした」と前澤氏は述べた。

また「乗り物酔いから解放され、ようやく残りの日々を楽しむことができます。20日に帰国しますが、日本が恋しくなってきました。帰国したら、お寿司を食べたいです! 」と語っている。

前澤氏と、彼のミッションを撮影していた平野氏は、ロシアの宇宙飛行士アレクサンダー・ミスルキン氏とともに、ロシアのソユーズ宇宙船で国際宇宙ステーションに向けて水曜日に出発した。

今回の宇宙旅行を企画したバージニア州の「スペース・アドベンチャーズ社」は、2001年から2009年にかけて、他に7人の観光客を宇宙ステーションに送り込んだ実績を持っている。

前澤氏は、宇宙ステーションのクルーに深い敬意を表した。クルーにはミスルキンの他、NASAのラジャ・チャリ、トーマス・マーシュバーン、ケイラ・バロン、マーク・バンデヘイの各宇宙飛行士、ロシアのアントン・シュカプレロフ、ピョートル・ドゥブロフの各宇宙飛行士、そして欧州宇宙機関のマティアス・マウラーの各宇宙飛行士が参加している。

前澤氏は「クルーのみんなは地球を救うスーパーヒーローのようなものです」と告げた。また「彼らは最新の科学を先取りしているだけでなく、肉体的にも精神的にも鍛えられていて、とても勇敢です。人間がここまで成長できるのか、私たちの生活はこの人たちにかかっているのか、これからどう変わっていくのかを直に感じることができます。彼らをとても尊敬しています」と付け加えた。

前澤氏と平野氏は、12月19日にミスルキンと共に地球に帰還する予定である。

前澤氏は飛行前に、一般の人々からアイデアを募り、ミッション中に宇宙で行うべき100のことをリストアップしていた。

「バドミントン、卓球、ゴルフなど、宇宙ステーション内でのスポーツを楽しみにしています」とAP通信に語っている。また「そんなに楽しみにしていないのは、トイレ関係ですね」と付け加えた。

前澤氏は、日本最大のオンラインファッションモール「ゾゾタウン」を立ち上げ、ファッション小売業で財を成した。フォーブス誌では、彼の純資産を19億ドルと推定している。

また数年後に予定されているイーロン・マスク氏の「スターシップ」での月周回飛行も予約している。旅行には、8人のコンテスト受賞者が参加する予定である。

前澤氏は「2023年には月に行こうと思っていますが、今は『dearMoon』プロジェクトの8人を選ぶ最終段階に入っています」と語った。

AP通信