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ベツレヘムの観光業に大打撃 活気をもたらす巡礼者はごくわずか

土曜日、降誕教会でクリスマスのミサを執り行うラテン典礼エルサレム総大司教のピエールバッティスタ・ピッツァバッラ氏。イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区のベツレヘムで。(AFP)
土曜日、降誕教会でクリスマスのミサを執り行うラテン典礼エルサレム総大司教のピエールバッティスタ・ピッツァバッラ氏。イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区のベツレヘムで。(AFP)
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26 Dec 2021 02:12:47 GMT9
26 Dec 2021 02:12:47 GMT9
  • パンデミックがビジネスに大打撃を与え、ベツレヘムの格式の高いホテルは閉鎖し、錠が下ろされている
  • 喫緊の医療問題と長期の政治的緊急事態が続くこの時期、家族からはさまざまな声が聞こえてくる。自信を損ね、希望を奪い、愛を消し去るような声もあるが、励まされる声もある

ベツレヘム:クリスマスの朝、灰色の空の下、パステルカラーや緑色のシャッターが閉まったままの通りにベツレヘムの鐘が鳴り響くさまは、まるで誰もめくろうとしないアドベントカレンダーのようだった。

このパレスチナの都市の商店主やホテルのオーナーは、コロナウイルスによる都市封鎖が裕福な外国人観光客の来訪を阻み、イエス生誕の伝統の地の経済を壊滅する前と比べると、業況ははるかに低調だと報告している。

マンジャー広場では、イスラエルや占領下のヨルダン川西岸地区に居住、就労、就学している人を中心に何百人ものキリスト教徒がツリーや飼い葉桶のそばに集まり、讃美歌を歌って降誕教会の周囲の雰囲気を盛り上げた。

しかし、家族と一緒に1世紀にわたって広場の周辺で土産物を販売してきたジョセフ・ジャカマン氏は、売上はパンデミック前の約2%だと言った。「3週間前までは休業していました。オリーブの木の飼い葉桶が2つか3つ、売れました。例年なら、年間を通して毎日3つか4つ売れていたものです」と彼は言った。

裏通りにはほとんど人がいない。スター通りは、近年、集客を目的に改修したばかりだったが、他の地域と同様に、オミクロン変異株の出現で11月にイスラエルが国境を閉鎖し始めたためにその希望は打ち砕かれた。

12月初旬、ベツレヘムのアントン・サルマン市長は夜間に石畳の通りを歩き、ホットワインやオリーブの木の彫刻を売る人々と握手し、鼓舞して回った。だが、販売相手の外国からのツアー客が来ないため、市場を開いても勢いは続かなかった。

街の反対側では、ベツレヘムで有数の格式の高いホテル、ジャシルパレスが閉鎖し、錠は下ろされたままだ。

その近くにあるナティビティホテルでフロントを担当しているヴィクター・ゼイダン氏は、パレスチナのキリスト教徒とフィリピン人のケアワーカーたちが来て一時的に稼働率を上げる貴重な日に稼ぐため、低賃金で12時間シフトを受けているという。「今年はお祝いもしていません。これまであまり仕事がなかったので、チャンスを逃せません」と彼は言った。

パレスチナ自治区の観光考古省のイェリス・クムシエ氏はロイターに対し、今年は昨年よりはましになったと話した。規制がより厳しかった2020年に比べると少なくとも国内旅行者がいるからだという。しかし、外国からの旅行者は「ゼロ」のままだ。

それでも土曜日の未明、ラテン典礼エルサレム総大司教のピエールバッティスタ・ピッツァバッラ氏は、定員を減らした深夜のミサの会衆に希望を求め続けるよう促した。

「喫緊の医療問題と長期の政治的緊急事態が続くこの時期、家族からはさまざまな声が聞こえてきます。自信を損ね、希望を奪い、愛を消し去るような声もありますが、励まされる声もあります」と彼は言った。「私たちはイエスと救いにつながり、希望に心を開くような声を探し求め、見いださなければなりません」

ロイター

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