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サウジアラビアの改革が世界のテロリストにとっては悪いニュースになる理由

イラスト、Luis Grañena
イラスト、Luis Grañena
12 Dec 2019 08:12:17 GMT9

カリーン・マレック、ドバイ

  • ファロス・ストラテジック・コンサルティングLLCのCEOであるノーマン・T・ルール氏が、アブダビで開かれたSALT会議の際にアラブニュースにコメントを寄せた。
  • ルール氏は、サウジアラビアがうまくいっている限り、テロリズム、過激主義、急進主義の力は衰えていくだろうと断言した。

中東情勢を熟知したアナリストによると、サウジアラビアの新世代は国を変革するために最善を尽くしており、ヨーロッパに活動拠点を置く若いサウジアラビア人も帰国する傾向が強まっているという。

ノーマン・T・ルール氏がCEOを務めるファロス・ストラテジック・コンサルティングLLCは、アラブ湾岸諸国とイランに重点を置いている。彼は何度もサウジアラビアを訪れる中で目の当たりにした変化の重要性は、誇張ではないとしている。

「私はこの35年間変わらず強い関心と良い志を見て取っている。それはサウジアラビア国内の家庭環境と、より良い未来を持ちたいという願望だ」と、アブダビで今週行われたSALT会議の折にアラブのニュースに語った。

「これまでと違うのは、若い年齢層の人口が非常に多いこと。そして彼らは非常に新しい世界の中で、この国がもっと注目を浴びる存在になるように変えていきたいと思っている」と彼は言う。

「これから数十年にアメリカ人が出会うものと変わらぬ新しい世界に彼らも出会うはずだ。オハイオ州に住む30歳の人にとっても、リヤドやアブハに住む30歳の人にとっても差はなくなる」

若いサウジアラビア人、特に女性が母国にチャンスを感じているようだと、彼は次のように語っている。「とても心強いというだけでなく、私の主張を裏付けるものだ。我々が中東に何よりも求めているのは石油でも武器市場でもない。新しいテクノロジーの開発には、人々のアイデア、友情、支援が求められる。より良い世界をともに築くことができない理由など何もない」

さらにこう続ける。「サウジアラビアや他の地域でも、道端で人と話しているとそれが実現可能であることに気づく。そして、ヨーロッパの起業家や学者、そしてサウジアラビアを訪れる観光客の増加は、どれもそれが起こりつつあることを予期させるものだ」

こうした展開は、サウジの指導層が下した決定によるものだとルール氏は考える。サウジアラビアの国としての意思決定は国王と皇太子が行っているものの、2人をサポートする内閣が実に優秀なのだと彼は説明する。

「あらゆる国が熱望するであろう、もっとも有能で、経験豊富で、教育された内閣の1つだ」と言う。

「サウジの人々もまた、ソーシャルメディアにアクセスする(してきた)を持つ世代が出てきて、先に述べたようなことをすべて可能にする世界に積極的に関わっている。多くの要因によってそれが実現している」

フォーミュラE選手権のためにサウジアラビアを最後に訪れたとき、彼は名高いリヤド・シーズンに参加し、サウジの起業家が所有するコーヒーショップ、トカに出会った。

「西欧諸国との関係を持つこの起業家は、日常的にアメリカやヨーロッパのビジネスマンと話し合いをしている。彼女は、楽しく魅力的な、サウジアラビアの文化を表現するような製品を持っている」とルール氏は言う。

「それこそが、サウジアラビアが西欧諸国にもたらせるものを象徴している。文化、楽しさ、人々、そしてビジネスだ」

長年にわたり、アメリカ国内でサウジアラビアに関する評判は、9.11の攻撃とジャーナリストのジャマル・カショギの死が占めてきた、とルール氏は言う。

しかし、最近サウジアラビアに行ったことがある彼の知り合いのアメリカ人はすべて、少し前まで(公けに)開かれていなかった多くの「未知の」部分を目にしている、と彼は続ける。

その中には、サウジアラビアの考古学的至宝の1つであるアル・ウラー県も数えられる。アル・ウラーは、サウジアラビアで初めてユネスコの世界遺産に登録された、アル-ヒジュル古代遺跡(マダイン・サーレハ)がある土地である。

「アル・ウラーは素晴らしい所だ。私はいつもアル・ウラーに行くのを楽しみにしている。世界中の人が行くべきだよ」とルール氏は語り、さらにこう続けた。「アル・ウラー県は文化省が非凡な仕事を成し遂げた証しだ」

アル・ウラーを訪れた人は、「できることならもっと何度でも来たい。素晴らしい所だ」と立ち去るときに言うのだそうだ。「観光と、地域的なエンターテイメントの源としての可能性はかなり大きい」

中東の状況をより大局的に見てみよう。経済力の大きさや、地域の安定性の改善するために動くことに関心と経験があるという理由から、サウジアラビアとアラブ首長国連邦は、果たすべき重要な役割を担っているとルール氏は言う。

「サウジアラビアはイスラム世界における特別な役割や地理的位置の理由から、この地域を新しい方向に導く歴史的な責任を負っている」

「穏健なイスラム教を推し進めてきたサウジアラビアの成功は、過激主義を押し返すだけでなく、世界中のさまざまな文明間の対話を改善もきっとできるはずだ」と彼は言う。

「ムスリム世界連盟のシャイフ、ムハンマド・ビン・アブドゥル・カリム・ビン・アブドゥラジズ・アル・イッサとこれまでに何度もお会いした。実に卓越した能力を持った人物で、イスラム教と異教徒間の対話に対する彼のビジョンは、この地域を変えるだけではなく、グローバル社会にも影響を与える」

ルール氏は、サウジアラビアがうまくいっている限り、テロリズム、過激主義、急進主義の力は衰えていくだろうと断言した。そうならなければ、西欧諸国が被害を受けることになると彼は言う。

「(王国が成功に)私たちが関心を寄せるのはテロと過激主義によるものだが、それだけではない」と彼は付け加えた。

「リビア、レバノン、シリア、イラク、イエメンといった国々には、支援やより良い生活を必要としている人が数百万人といる。こうした地域には西欧諸国の支援が欠かせないのだ」と彼は言う。

「この国々に乗り込んで国を再建するのはアメリカの仕事ではない。それぞれの地域の仕事だ。アメリカや国際的社会の役割はそのサポートだ。サウジアラビアとUAEがリーダーシップを取り、クウェートやバーレーンのような友人の協力を得ながら実践していく。それこそが前進への道なのだ」

「そうならなかった場合、そうした国々に住んでいる人々にはひどい結果がもたらされことになる。今より良い未来を心から必要としている人々なのにだ」

しかし、近い将来のうちに西欧諸国のサウジアラビアに対する姿勢が変わる見込みはあるのだろうか?ルール氏はビジネスマンと観光客について楽観的な見方をしており、政府の動きはそれほど素早くないだろうが、ソーシャルメディアがこの変化をいくらか加速させるだろうと述べている。

イエメンに関しては、「地雷除去のためのサウジ・プロジェクト(MASAM)」を例に挙げ、サウジアラビア、UAE、クウェートがイエメンのために数十億ドルかけたことを、ヨーロッパでは「見ることも聞くこともほとんどない」と指摘した。

「このプログラムやイエメンに関わっている、サウジアラビアの人々とUAEについて多くのことを教えてくれる一事だと思う」と彼は言う。

そして、「しかし、イエメンの紛争が終わったら、国の再建のために国際社会は地雷除去プログラムの後方支援に回るべきだ」と続けた。

「だから私は、イエメンの問題を解決するためにサウジアラビアやUAEとの、より大きな国際的協力関係を応援する。それが世界全体の利益になるからだ」

ルール氏によると、中東の新しい時代はそうした変化と変革に向かう真っただ中にあるのだという。

「すべての目標がどのぐらいの速さで達成されるのかは私には予想もつかないし、誰か予想できる人がいるのかもわからない」と彼は続けた。

「しかし、サウジアラビアとUAEのリーダーシップの意図するものは称賛に値し、国際社会に利益をもたらすものであることは、はっきりとわかる。より安全で、繁栄した、面白い世界にしてくれるだろう」

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