

ドバイ:世界的に有名な力士である飛翔富士廣樹氏は、ドバイに1ヶ月間滞在して同市の日本食レストランTABŪでパフォーマンスを行っている。
TABŪは相撲パフォーマンスを毎週木曜日と金曜日の2回開催している。
アラブニュース・ジャパンの取材に応じた廣樹氏は、ドバイでパフォーマンスできて嬉しいと語った。「ドバイは世界最高の都市の一つだと思っています。TABŪのお客さんは多国籍なので特にそう思います」
廣樹氏は米国、スペイン、イタリア、ドイツ、フィリピン、サウジアラビアなどの国々でパフォーマンスしてきた。
「米国では何度もパフォーマンスしましたが、あの国のお客さんはとてもインタラクティブです」と廣樹氏は言う。「相撲の取組の時にお客さんが参加したがるのです。とても興奮して私と戦おうとする人までいます」
それに対し、ドバイの客は「少しおとなしい」という。
「ドバイに来るのはこれが初めてなので、お客さんはどう反応したらいいのか、あるいは私のパフォーマンスをどう受け止めたらいいのか探ろうとしているように感じます」と彼は説明する。「お客さんには時間をかけて相撲に慣れ親しんでもらって、観戦中にもっとエキサイトするようになってもらえればと思います」
彼はアラブニュース・ジャパンに対し、客があまりインタラクティブでないのはドバイだけではなく、米国以外のほとんどの国ではそうだと説明する。
廣樹氏は2018年にジェッダで行われたWWEグレイテスト・ロイヤルランブルでパフォーマンスを行った。
彼はその時のサウジアラビアでの体験について、「ものすごい」反応だったと語る。
「最初にサウジに着いた時は誰も私のことを知りませんでした。しかし大会の後は皆から追いかけられるようになったのです。ホテルスタッフが写真を撮ってもいいかと尋ねてきたり、特別に良い対応をしてくれたりしました」
活動的な力士である廣樹氏の現役時代の毎日のルーティンは非常にハードで、稽古と食事に明け暮れているという。
彼はアラブニュース・ジャパンに対し、「早起きして午前5時から稽古を始め、12時までやります」と語る。「朝食が軽いバナナとヨーグルトだけの時もあります」
「稽古後の昼食には、皆で日本の伝統的な力士の食事を食べます。鍋のようなものです。昼食を終えたら1~2時間昼寝をしなければならない決まりです」
昼寝から起きた力士たちはジムでウェイトリフティングや水泳などの稽古を続ける。廣樹氏によると、この昼寝後の稽古は夕食の時の食欲を高めるために行うのだという。
「私はこのように重くて大きい体格に恵まれていますが、仲間たちは体重を増やすのに苦労しています。できる限りたくさん食べてはいるのですが」
力士はハードな稽古をすると一瞬で体重が5キログラム落ちることもあるという。「これ以上飲み込めないというところまで食べなければなりません」
廣樹氏は世界的に有名なパフォーマンスのほかに、最新の映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』にも出演している。また、ネットフリックスで2023年に公開された『サンクチュアリ -聖域-』にも登場している。これはタフで自暴自棄な少年が力士になってファンを魅了する様を描いたシリーズだ。
このネットフリックスのシリーズでは四股という相撲の動作が非常に重要な意味を持つ。二人の力士が向かい合って、足を開いて腰を落とし、同時に地面から片足を上げて下ろすのだ。
この動作は一見すると簡単に見えると廣樹氏は言う。
「しかし、全く簡単ではありません。正しく四股を踏めるようになるには多くの時間と集中が必要です」と彼は説明する。「正しい四股を100回踏もうと思ったら1時間かかります」
その理由は、四股を踏むには下半身が重要だからだ。力士は上半身だけで相撲を取ると怪我をするという。
廣樹氏はTABŪの1周年記念イベントに参加しており、6月末まで週2回パフォーマンスを行う。