



長久手、日本:ゲートの向こうには、ふわふわのネコバス、にかっと笑うトトロ、列車のシートに座る実物大のカオナシがいる風変わりな世界が待っている。ようこそジブリパークへ。
水曜に、大人気の『となりのトトロ』やアカデミー賞を受賞した『千と千尋の神隠し』を作ったスタジオジブリによる、待望の新たなテーマパークが報道陣に公開された。
日本の中部地方に位置する愛知県で11月1日に開園する予定だが、最初は5つのエリアのうち3エリアのみがオープンする。
一部の地元住民への抽選による先行招待に当選したアサヒユキさんは、ジブリの熱狂的ファンだという。
AFPの取材に対し「皆が待っていたパークです」と語った。
2005年の愛知万博の会場だった194ヘクタールの公園の中の7.1ヘクタールに広がるこのテーマパークには、ジブリ作品における自然の重要性を反映し、広大な屋外エリアがある。
来月オープンする3つのエリアのうちの1つである「青春の丘」は、『天空の城ラピュタ』や『ハウルの動く城』といったいくつかのジブリ作品から着想を得たエレベーター塔がある、パークの玄関口だ。
別のエリア「どんどこ森」には、牧歌的な遊歩道、遊具、巨大なトトロのフィギュアがあり、『となりのトトロ』に漂う古き良き時代の平穏を感じられる。
大きな目玉となるのが「ジブリの大倉庫」だ。スタジオジブリの名作映画13本の中の14場面を再現したセットなどのさまざまなアトラクションがある、倉庫のような屋内施設だ。
来園者は『千と千尋の神隠し』のオープニング場面を模して作られた小道を散策したり、赤いベルベットで覆われた列車の座席で特徴的なキャラクター「カオナシ」の隣に座ったりできる。
愛知県は、来年5エリア全てがオープンした後には、年間180万人の来場を見込んでおり、1年間で480億円の経済効果があると試算している。
地元住人であるアサイユイコさん(34)はAFPに、『ハウルの動く城』を何度も観たので、全てのセリフを覚えてしまったと述べた。
彼女は「訪れるのを本当に楽しみにしていました」と話し、「奥が深く、大人も楽しめる」ので、ジブリ映画が大好きだと語った。
アニメ制作者の高畑勲氏と宮崎駿氏が1985年に設立したスタジオジブリは、ノスタルジー、勇気、強欲、自然との交流などを織り込んだ作品によって世界中のファンを魅了している。
宮崎駿氏の息子である宮崎吾朗氏は、水曜に報道陣に対し、パークは地域の環境を保護することを目指したものだと述べた。
「なるべく影響が少なくて済む場所を選んでいます」と同氏は述べている。
「周りに木々があることで、建物がより良く見え...まるで昔からあったように見えます」
パークは当初、父である宮崎駿氏の引退を見越して、スタジオジブリの作品を後世に残していくために考え出されたものだと、宮崎吾朗氏は語る。
「多くの人にジブリ作品が忘れられないようにしたいという思いがありました」という。
「ところが相変わらず、また裏切られまして」と笑いながら続け、「宮崎駿はいま長編映画を作っておりまして」と述べた。
チケットは予約販売のみで、大人料金はエリア毎に1,000円から2,500円。
スタジオジブリは既に、東京郊外で大人気のジブリ博物館を運営しており、そのチケットは毎月初旬だけに販売され、通常数時間で売り切れとなる。
日本には、東京ディズニーランドや大阪のユニバーサル・スタジオなど、いくつかの大規模なテーマパークがある。
2年半の新型コロナウイルスによる厳しい規制を経て、日本は10月11日に観光客の入国制限を撤廃しており、今後数か月で多くの外国人観光客が訪れると見込まれている。
AFP